2017年氷瀑を求めて@
 横谷渓谷の滝たち



王滝
国道299号でかなり上まで登った
横谷観音から遠望。
水量が少なく、ここからだと下段が見えない。


滝のみの風景よりもむしろ山々と街並みの風景が
とてもきれいだ。
しかも、滝の大きさもよくわかる。
黒い部分が滝だから、山の大きさと比較して
おっきいなぁと感動してしまう。



乙女の滝
ちょっとわかりづらいかな〜。
水流の後ろ側が凍っている。
暖冬の1月にしては
凍っているほうじゃないかな。



近づいて撮影。
ね、けっこう凍っているでしょう。



看板があるところからだと
こんな感じに見える。



手前の雪の部分が階段状になっていた。
気をつけて登ってみる。



氷のすぐそばから水流を透かして
青空が見える。
裏にも回れそうだったが、
怖いのでやめといた。




霧降の滝
なぜかカメラマンのスポットになっていた。
もうちょっと凍っていてくれると思っていたが。
でも、雪帽子をもっさり被って、
それはそれでかわいいかも。



霧降の滝の道の反対側の岩盤。
多分上から水流を流したのじゃないかと思う。



そっちの方の氷には
ちゃんと氷のくらげがたくさんできていた。
かなり氷瀑っぽかった。




おしどり隠しの滝
青空がきれいだ〜っ。
おかげでコントラストが激しくなってしまって、
写真では滝が目立たなくなってしまったが、
肉眼ではかなりきれいでした。



思いっきりコントラスト修正。
この滝を冬に青空とともに写すのは、
時間帯の考慮が必要かも。



真冬でもチャツボミゴケは緑なんだね。


水はとても透き通っているし、
釡の一つ一つは、とても深い。

2017/1/21(土)
      
  王滝(落差40m) 乙女の滝(落差30m)
         霧降の滝(落差4m) 
        おしどり隠しの滝
(全長50m)  長野県

カレンダーの都合上、今年は私とダンナの連休が見事にズレている。数少ない連休は無駄にせずにどこかに行きたい。と、いうことで、氷瀑を求めて出かけることにした。
しかし、この冬は地域によっては大雪になったところもあるのだが、概ね暖冬だ。2月の冷え込み前では、どこも氷瀑らしくなっていないだろう。頼みの綱は、標高の高い滝である。
標高が高くて、冬季通行止めになっていなくて、新潟から日帰りできる場所。どこかないかなぁとさんざん考えて、長野県横谷渓谷に行き当たった。あそこなら、冬らしい滝を見ることができるだろう。
そんなこんなで、相変わらず早起きもせずに家を出て、蓼科高原に着いたのが正午過ぎ。今回はおにぎりとカップラーメン持参で来たのだが、どこで食べるか困った。結局国道299号線をずんずん進み、横谷観音の駐車場に。
横谷観音の社の軒を借りてお昼にするつもりだったのだが、積雪で先に進めそうにない。仕方がない、駐車場で自動車を風よけにしてごはんにしよう。どうせ、だれも来ないしさ。
だれも来ないと言っても、駐車場は楽に20台はとめられるんじゃないかというくらい広々と除雪してある。かなり寒かったが、熱いお湯を沸かして、昼食にした。残念なのが、トイレががっちり施錠してあって、冬季閉鎖中だったこと。仕方ないけどね。
雪深そうだったので、横谷観音まで歩いて王滝を遠望できないかと思っていたが、行ってみたら、案外雪はそれほど深くない。よし、歩いてみよう。

  
  
横谷観音の駐車場から振り返った光景。大好きな風景です。

  
  
積雪はこんな感じ。トイレは閉鎖中。

  
  
見た目より雪は深くない。

歩き始めてみたら、雪は長靴で十分くらいの深さで、先に歩いた人の足跡もあったので困ることはなかった。5分強で横谷観音に到着。王滝が見下ろせる場所まで行った。
おお、水墨画の世界だ。
うっすらと白くなった山々と、唯一黒々とした王滝の岩盤。水量が少ないから、水の白さより岩盤が目立つ。
遠くに茅野市だろうか、街並みが見える。山々とあいまって、いっそう王滝の大きさを際立たせているよだった。
少し下ると正面から見える滝見台があるが、雪があるし、歩くつもりもなかった。駐車場に戻って今度は乙女の滝を目指す。
横谷温泉旅館の駐車場に自動車を入れて、遊歩道の入口から下って行く。雪はあるが、歩きづらくない。

  
  
乙女の滝まで下る。

すぐに乙女の滝前に来た。
あ、予想以上に凍っている。もちろんカッチリとは凍っていないが、暖冬でまだ1月という状況のわりには氷部分が多かった。
と、見ると、先客が滝のほうから下って来た。滝のほうから下って来た?よく見ると、うまい具合に雪が階段状に岩をつなげていて、滝の氷部分まで行けるようになっていた。
もちろん、行きましたとさ。
わあ、すごいぞ。衝立上になっている 氷の向こう側を岩盤から離れて水流が落ちて行く。氷越しに水流と青空を見ることができる。
見下ろすと、はるか下に渋川の流れがあって、そこまでを落差にしたら30メートルなんてもんじゃない。

  
   
上から見下ろした図。左端中央付近にダンナが立っているのがわかるかな。

もっと頑張れば滝の裏側まで行くのも可能のようだったが、さすがにやめておいた。雪の下の岩盤がどれほど安定しているか、氷がどれほどガッチリ凍っているか、判断がつかないじゃないの。
それでも、予想外のきれいな氷と水の風景を見ることができた。
遊歩道はここから渋川沿いに下って行く道があったはずだが、どうやら閉鎖中らしい。もう一度駐車場まで戻って、霧降の滝まで歩くことにする。
と、遊歩道の迂回を案内する看板が立っていた。
たしか、遊歩道は横谷温泉旅館の裏手の道を歩いて行くとすぐだったはずなんだが、そっち側は落石のために通行止めになっているらしい。旅館の前を突っ切って行けとある。仕方がないので、宿泊するワケでも日帰り入浴するワケでもないが旅館の玄関の前まで行き、遊歩道を探す。
あれ〜、確か、温泉の露天風呂のそばを川を挟んで歩いた記憶があるんだけどなぁ、とウロウロするが、その記憶の道こそ通行止めになっている場所らしかった。
案内は、旅館の設備らしい建物と旅館の間の階段を通れと指示していて、それを登って行くと、結局旅館をぐるっと回る感じで裏手の道を突っ切った先に出た。つまり、旅館の裏手の崖が落石の危険があるから通るな、ということらしいが、そこには旅館の関係者のものらしい自動車がずらりと止められていた。説得力ないなぁ。

  
  
随所に迂回路の案内がある。

  
旅館の真ん前を突っ切ったらここに出る

  
  
茶色い建物に沿って階段を上ると、遊歩道に出ることができる。

ともあれ、そこからそれほど歩かずに霧降の滝に到着。あらまあ、カメラマンが数人、立派な三脚をしつらえてカメラを構えている。
もんやりと雪を被った霧降の滝は、絵になるっちゃあ絵になるかなぁ。
私としてはむしろ、カメラマンの背後にある崖にある多分人工的に作っただろう氷壁のほうがきれいだと思った。
ちゃんと氷のクラゲもできているし、こっちのほうが氷の造形としては面白い。

  
  
霧降の滝前の橋は通行できませんと立札が。

もう少し歩いて屏風岩の氷瀑まで行ってもよかったのだが、今回はここまでにしておいた。とにかく体力が落ちているので、あまり歩きたくないのだ。
屏風岩までさえ歩くつもりがないのに、まさかおしどり隠しの滝まで歩くわけがない。遊歩道を戻って、自動車で明治温泉まで進む。
明治温泉といえば、厳冬期には氷のオブジェが作られるのだが、今年はどうだろう。
県道から温泉に入る道に大きな駐車場があり、そのあたりに除雪中の作業車が一台。気にもとめずに温泉までの細い道を下って行く。道はすれ違い困難な道でしかも踏み固められた雪でつるつるだ。
なんとか温泉前の駐車スペースまで行ったら、さっきの除雪車がやってきた。どうやら明治温泉の関係者らしい。
おしどり隠しの滝と氷のオブジェを見たいので駐車させてくれと頼んだら、氷のオブジェはまだやっていない、との返答。滝には行けますよとのこと。温泉は利用しないが、駐車させてもらうことの了承を得た。
イベントがまだなので、おしどり隠しの滝までの道はほんの踏み跡程度だった。旅館のほぼ裏手が滝なので、それほど歩くこともないので助かった。

  
  
雪にたたずむ明治温泉。

  
  
ほとんど踏み跡だけの滝への入口。

雪だらけの川の近くまで来て、上流を見上げると青空の下に数段の釡を持つおしどり隠しの滝が落ちていた。
きれいだなぁ。素直に思った。
空の青と雪の白と、滝の中のチャツボミゴケの緑色。その緑色の上をするんするんと水が流れ落ちている。
冬の風景しか見たことがないが、この滝はきっとどの季節も美しいのだろうなぁ。

さて、すっかり滝を見終えて、せっかく明治温泉まで来たっていうのに日帰り入浴もせず、帰り道の茅野市のコミュニティ温泉施設の尖石温泉縄文の湯に立ち寄って帰宅した。縄文の湯、市民は大人400円だけど、市民以外は600円。でも、別荘利用者でも市民扱いしてくれるので、概ね400円で利用できそうです。我々はちゃんと600円で入浴しましたけどね(笑)よくあったまるよいお湯でした。
交通
横谷渓谷  一番近いICは、中央自動車道の諏訪IC。インターを出てすぐ右折。国道20号のバイパスに乗る。次のインターというよりむしろ大きなY字交差点といった場所で国道152号方面へと左がわに進む道を選ぶ。すぐに左折。国道152号に乗る。手持ちの地図では、トンネルが有料になっていたが、我々が通った時には無料になっていた。そのまま蓼科方面に向かって直進する。やがて道は国道299号と合流する。
途中、ビーナスラインに向かう道などが分けるが、とにかく国道299号からはずれないように、蓼科、麦草峠方面へと向かって進めばよい。
かなり進んだあたりで横谷渓谷という大きな看板が出て来るので、入り口で迷うことはない。
国道から右折すると随所に乙女滝の案内がある。その通りに進むと、やや路肩が広い場所があってそこから徒歩で下るとすぐに乙女滝である。
自動車はその入り口に路駐してもいいと思うが、もう少し先の横谷温泉旅館の駐車場に駐車してもとがめられないと思う。
ちなみに、横谷渓谷遊歩道は、ところどころ落石や崩落があって、途切れているらしい。以前旅館の裏手から続いていたのだが、そちらは落石のため通行止め。旅館の前を通り、施設の間の通路を案内どおり進んで霧降の滝の前まで行く。
王滝は、その遊歩道をさらに1時間ほど歩いて到着するが、遠望でよいなら、横谷観音から見下ろせる。国道299号線をずんずんと登って行き、横谷観音の文字が見えたら右折。ややすると大きな駐車場がある。そこから徒歩5分ほどで横谷観音。トイレは冬季閉鎖なので注意。
おしどり隠しの滝は、王滝の上流で、遊歩道を歩くと夏場で25分で行けると案内にあったが、我々は本文の通り、自動車で299号を下り、奥蓼科温泉に向かう湯みち街道に入って登って行き、明治温泉まで行って、徒歩3分もないくらいで滝まで行った。


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