2008年秋の飛騨小坂そのC材木滝へ2008年秋の飛騨小坂D
胡桃大滝 





胡桃大滝
滝だけの撮影だと、そのスケール感は
よくわからないと思う。
滝が削り取った岩盤が
目の前に迫ってくる様子は圧巻だ。



遊歩道の終点から見える滝はこちら。
分岐部分がよく見えず、
直瀑かと思わせられる。



だが、落ち口からして
かなり複雑に変化して落ちている。



そして最後は綺麗に末広がりになって
分岐する。



遊歩道終点近くから見える岩盤の広がり。
赤い○の中に私がいる。
だいたい看板のあたりに立っている。
そこから滝つぼまでは50メートル。



大きさ比較。
滝つぼを形成する大岩にダンナが立っている。
赤丸の中である。



これは、右岸にあった古い看板。
いったいどれくらい前のものなのか。



で、その看板から斜面を登って撮影した
滝の落ち口付近の横顔。
大きく2つに分かれた地層の上の部分は、
水が斜めに岩盤を滑り落ちているのが分かる。



反対側から見た落ち口。


滝つぼ。
滝の直下以外は浅そうだった。
2008/11/3   胡桃大滝(落差45m)  岐阜県下呂市
いよいよ今回のメインイベント、胡桃大滝に向かう。
予め宿の女将さんに、新潟に帰るので、チャオ御岳スキー場のほうから長野に抜けたいのだが、道は通れるだろうか、と聞いておいた。女将さんは、むしろそっちの道のほうが広くて安全だと勧めてくれた。
通り抜けられるとわかって一安心なのだが、問題は胡桃大滝に向かう林道の入り口が見つけられるかである。
色々なサイトで入り口の写真などを見て見落とさないように注意深く探した。
見落とすどころではなかった。
実に分かりやすい状態で、林道継子岳(胡桃島)林道の入り口のゲートが見えた。ちょうど右に大きくカーブする突端に赤茶けたゲートが見えるので見落とさないのだ。
カーブの内側に退避スペースらしい少し広いスペースがあったが、そこには駐車せずに、ゲートのすぐそばにある1台ギリギリ駐車できそうな場所に自動車を入れた。万が一ゲートが開けられても邪魔にならない場所である。
  
左手に自然休養林の看板を見て右に大きくカーブする突端にゲートがある。

  
これが継子岳(胡桃島)林道のゲート

  
ゲートの右側には胡桃大滝2Kmの文字。
ここからは長い林道歩きだというのは、調べ済み。
足回りをしっかりとして、歩き始めた。
おおむね、ゆるやかに下っている道だ。
どうしてこの道がゲートで閉鎖されているのかわからないくらい、ほとんど危険のない道である。両側は林になっているので、がけ崩れの心配もないのだが。
花の季節であれば、撮影しながら進むのだが、あいにくこの季節この標高では咲いている花は無かった。そのため、もくもくと歩みを進めることになる。
林の中のため、景色が変わるわけでもなく、あと何メートルといった看板があるわけでもなく、とにかく単調だ。
  
林道はおおむねこんなもん。
御岳の周辺の山々は、木々のまわりに苔が多い。緑の絨毯といっていいくらい、林の足元は苔だらけ。静かな苔むした樹海はむしろ不気味だ。
もくもくと歩いて25分ほどで左側にマイクロバスが回転できるくらいのスペースがあった。今まで歩いて来た林道、真新しいタイヤの跡があったのだが、どうもマイクロバスか何かで胡桃大滝を訪ねるイベントがあったらしい。この道を自動車で来れたらどんなに楽なことか。ちゃんと駐車スペースまであるのに、どうして通してくれないんだろう。
そこから先は林道は続いているのだが、轍の跡は無かった。小さく胡桃大滝と矢印が出ているので、そちらに向かう。
すると、大きな説明看板が出現。隣には滝まで350m、徒歩5分と手書きでかかれていた。おお、あと5分か。
  
左側に回転スペース。まっすぐ行くと轍が消えている。

  
遊歩道入り口にある説明看板。胡桃の大木と白蛇の伝説が書かれている。

  
遊歩道入り口。看板の真向かいだ。
ここからは林道を右に外れて、遊歩道になる。
この時点でこの状態の道を350メートル進むのに、5分で行けるのか?とかなり疑問に思っていた。
さっきも書いたのだが、御岳の周辺の山は苔むした緑の絨毯が広がるとても水分の多い土地だ。つまり、遊歩道もじめっとしている。
ときおり木の足場などがあるのだが、その足場がぬるっとしていてかえって滑ってしまう。そこをおっかなびっくりノロノロと歩くのだから、どうしても歩くのが遅くなってしまう。
それに、ついさっき崩れたんじゃなかろうかという石の積み重なったものが遊歩道をふさいでいたりして、思ったより足場は悪いのだ。
    
  
滑りやすい木の足場。昔の落石の跡。
    
  
最近の落石の跡。右は10メートルおきに打ってあった小さな杭。
それでも、つい最近あったらしいイベントの名残なのか、10メートルおきくらいに数字が刻まれた赤い小さな杭などが打ってあり、滝に近づいているのがわかる。確実に人が入っている印があるのも心強い。
だが、5分では絶対に到着しない。
我々の足で10分ほどで胡桃大滝の姿が見えた。名まえの書かれている看板もある。滝の削った広々とした空間に圧倒的な存在感を示して落ちている。
ふと足元の杭の数字を見ると、300mになっている。あれ、350mじゃなかったの?
いや、看板の向こう側にも点々と赤い杭は打たれている。岩場に下りて、その杭を辿ると、滝つぼのごく近くまで行った。うむ、350メートル。
さて、遊歩道は、滝の左岸、滝に向かって立つと右側に到着する。
滝前には岩の広がる適当な広場があるのだが、そこに行くには川を渡る必要がある。
どうにか川を渡るに丁度いい場所は無いものだろうか。
あった。
というか、どうもイベントのために、わざわざ流木だの岩だのを飛び石よりも密度の濃い状態に並べて橋にした形跡があった。らっきー。
それを使って滝の正面になる岩の広場に出る。
    
  
遊歩道のほぼ終点にある看板。渡りやすいように石と流木を積んだ場所から渡渉。
滝の水は、遊歩道がわにカーブして流れて下流に行っているので、滝の正面は広場になっているのである。
滝つぼは大きな岩でプールのように仕切られていて、広場は滝つぼよりも一段下になっている感じだ。
そこにリュックを下ろして、まだ11時だったが昼食の用意をした。
宿の女将さんに握ってもらったおにぎりとカップラーメンだ。
空腹を満たしたあとで、滝の撮影をする。
あたりをぐるぐると見回していると、右岸、滝に向かって左側にもなにやら立て看板があるのに気がついた。
ダンナが三脚を立てて本格的に滝を撮影しているので、私はそちらに向かって河原から泥つきの斜面を登ってみた。
それほど苦労はない。行ってみると、あら、こちらにも「胡桃大滝」と書かれた看板があるではないか。しかし、こちらはかなり古い。文字の判別も難しいくらいになっている。
以前はこちら側に遊歩道があったということだろうか。
少し下流の方を見てみたのだが、それらしい踏み跡さえなかった。
こちらがわの古い看板から、斜面を登って行くと滝の右岸がわの角度から滝を見ることができそうだった。
泥っぽくて、足場は悪そうだったが、それほどきつい斜面ではないので登れそうだ。
草を手がかりに登ってみた。
おお、滝の横顔が見える。
下から見るより角度を持って落ち口から流れ出ているのがわかった。
プール状の滝つぼの縁でダンナが滝を撮影しているのが見える。わははは、ちっちゃい。って、私、けっこう高い場所にいるんだ。
ちょっと怖くなって、慌てて斜面を下りた。
ダンナと合流して、名残惜しいが胡桃大滝を後にすることにした。
ああ、これから先がまた長い。
遊歩道はまだいいとして、林道歩きがイヤっていうほど長い。
しかも、ゆるやかではあるが登りだ。
いつものことなのだが、本当に意地になって、早足で歩いた。もくもく、もくもく、ひたすら歩みを進める。だいぶ歩いたと思っていても、まだそれほど距離を稼いでいなかったりする。
もういいかげん林道の入り口なんじゃないだろうか、もうそろそろなんじゃないだろうか、と何度も思ってやっとゲートが見えてきた。帰りに使った時間は滝前から45分。ああ、疲れたったらありゃしない。
晴天でもなく、けっこう気温が低い日だったのだが、自動車に戻りついた時には汗びっしょりになっていた。
人通りも車通りもほとんど無いことをいいことに、自動車の中で着替えてしまった。
これにて、今回の濁河温泉周辺の滝めぐりは終了である。
あとは、柳蘭峠、長峰峠を越えて長野県入りし、国道19号に出て新潟を目指して北上するだけだ。(途中でひっかかった黄葉や奈良井宿の様子はこちらから)
秋を求めてドライブし、秋に圧倒されて、それでも充分に秋を堪能した2日間になった。
それにしても、2008年のベストワンの滝は、濁河温泉周辺にあったのかなぁ。
これからじっくり考えてみよう。
交通
  胡桃大滝  長野県側から行く方法と岐阜県側から行く方法があるが、今回は我々が利用した岐阜県がわからの説明をする。
最寄ICは岐阜がわから行く場合は、東海北陸自動車道飛騨清見ICから中部縦貫自動車道に入り高山西ICで下車。国道41号線に出て南下。矢ケ野という交差点で向かいたい方向は左なのだが右折する。今走って来た国道41号線をくぐって左側に出る。あとは巌立峡、濁河温泉という案内に従って進めばよい。巌立峡は途中で右折するが、濁河温泉はとにかく曲がらずに道なりに進む。民家が途切れてから先がべらぼうに長いが、時折看板が出ているので、迷うことはない。
もう少しで濁河温泉という所で、左折する林道が分ける。これが柳蘭峠、チャオ御岳スキー場方面に向かう県道435号である。この道へと左折。
しばらく走って濁河峠を越える。道は狭いので注意が必要。
左側に注意して走っていると、本文の写真の通りの「林道継子岳(胡桃島)線」のゲートが見える。この林道が胡桃大滝の入り口である。ちゃんとゲートのそばに胡桃大滝と看板もある。
ここからは徒歩で林道を行く。林道はなだらかに下っている。
がんばって30分ほど歩くと、右上に胡桃大滝という看板があり、轍が消える。そこから100メートルほど行くと説明看板があり、右手に遊歩道の入り口がある。
看板には5分とかかれているが、10分ほど遊歩道を歩いて行くと胡桃大滝が見える。
そこまでは危険は無いが、滝前の岩場を登ったりして撮影するつもりであれば、軍手などはあったほうがいいだろう。

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