2017年滝初め 日光の滝たち



華厳の滝
2017年冬の華厳の滝。
いつもの冬景色よりずっと雪が少ない。





滝の回りの氷も少なめだ。



この風景は絶対に見たほうがいい。
近くから見るだけが滝のベストショットではないと
分からせてくれる風景である。


明智平から見た滝つぼ。
手前にエレベーターから降りた
鑑瀑施設の屋根が見える。
それがふさいでいるので、
華厳の滝のすぐ下流の
涅槃の滝は見えない。


白雲の滝
この流れが全部伏流水である。
岩盤のあちこちから染み出ていて、
それを集めて滝になっている。
しかし、華厳の滝とこの白雲の滝の
水量が流れ出ても中禅寺湖は
からっぽにならない。
それだけ周辺の山々から流れ込んでいるんだね。



滝見台から見た方等滝と般若滝。
ロープウェイから見えた方等滝と比べると、
段数がかなり少なく見える。


方等滝
ストンと落ちているように見える方等滝だが、
ロープウェイから見ると、
けっこう角度のついた流れ落ちだ。


般若滝
左岸の岩盤がきれいに整備されている。
この感じだと、般若滝自体、いつ落盤で
なくなってしまうかわからないと思った。



竜頭の滝
もっとも下流。
やっぱりこれが一番竜頭の滝っぽい。
厳冬期につき、流れの両脇がやや凍っている。


竜頭の滝
こちらは、上の写真よりちょっと上流。
ところどころ凍っていて、
冬ならではの美しさになっていた。


こーんなふうに凍ってつららもできている。


橋から下流方向を見下ろす。
彼方に中禅寺湖が見える。


こちらは、橋の上流方向。
淵が凍っていて、きれいだ。



湯滝
小さく写っちゃったな〜。
そばで見上げるとけっこうな迫力なんですが。


滝見台から滝までの距離は
こんなかんじ。


あ、伏流が湧き出ている場所がある。
湯の湖から落ちているだけじゃないんだ。



霧降の滝
意外にもまったく積雪がない。
夕方だったのでさみしい感じだ。


でも相変わらずきれいな流れである。


上の段。


下の段。
そばに行ってみたい気もするが、
この滝もたぶん、遠くからみたほうがきれいな滝と思う。
2017/1/8(日)
      
  華厳の滝(落差97m) 白雲の滝(落差42m)
         方等滝(落差30m) 般若滝(落差20m)
         竜頭の滝(全長210m)  湯滝(落差50m)
         霧降の滝(落差80m) 栃木県

2017年最初の滝はどこに行こう。
2016年は時間的に制約があり、あまり遠出はできなかった。
せっかく新しい年になったのだし、新しいスタートにふさわしい滝に行きたいものである。
そうなると、われわれが行きたくなるのは、実は華厳の滝なのだ。
過去、何度も行っているが、華厳様は正月にふさわしい。こんな真冬に行くやつはあまりいないとは思うが、真冬の華厳の滝は見るものを厳かな気分にさせる。
さらに、華厳の滝のある日光の周辺には見映えのする滝が本当にたくさんある。
実にお得なエリアなのだ。
新潟からはちょっと遠いが、多少帰りが夜遅くなっても困らない。
とはいえ、体力的にも落ちているので、今回は関越道から北関東道、日光道と高速道路を乗り継いで日光入りした。
本年の滝初めと意気込んているわりには、それほど早起きもせずに家を出発したので、いろは坂にとりついたのはもう正午もかなり回ってからである。
意外にもそれほど雪のないいろは坂を登って行き、明智平に到着。あ、ロープウェイが動いている。
冬に来ると、このロープウェイ、運行していないことがままある。もしロープウェイが動いていたら、即、乗る。ロープウェイの先の展望台からの眺めは、滝好きでなくても見て損はないものなのだ。
自動車を降りると、さすがに標高が高い。刺すような寒さである。こんな時にロープウェイに乗る人なんかいないだろうになぁと思っていたら、けっこうぱらぱらと人が乗っていた。

  
   
男体山、方等滝とロープウェイけごん号。

  
  
展望台に向かっていく。

ロープウェイから見下ろすと、放等滝と般若滝が見えた。冬枯れした山肌をくねくねと走るいろは坂と対照的に2つの滝が直線的に落ちている。
  
  
ロープウェイから見た方等滝と般若滝。どちらの滝もいろは坂の滝見台から見るより落差があるように見える。

展望台について、さらにびりびりするような寒さに身を縮めながら階段を上がる。
わあ。
今年も見事に華厳様は直立している。
空が青くないのが惜しいが、ゆったりとした中禅寺湖の栓を抜いたような感じで、こんなに遠いのに、圧倒的な大きさを持って華厳の滝は私たちの前にある。
いや、すごい。
よくここに展望台を作ってくれた、と感謝したくなる。
華厳の滝を見るなら、直下のエレベーターに乗るよりも絶対に明智平のロープウェイに乗るべきである。
白雲の滝も、あの謎の滝前を横切る橋もちゃんとある。
男体山と中禅寺湖と華厳の滝と白雲の滝。これだけでおなか一杯だ。
いや、もちろん、これだけで帰りませんけどさ。
  
  
地球はすごい風景を作るわ。

  
  
展望台にあった案内板。「男体山」「白雲の滝」はいいとして、けごんの滝と手書きはどうよ。壊れちゃったのかなぁ。

ロープウェイを下って、さらにいろは坂を進み、今度は華厳の滝のすぐ近くの駐車場に自動車を入れる。さっロープウェイに乗ったので、エレペーターはパスして、無料の滝見台から華厳様を拝んだ。
前に来た時も思ったけれど、海外からの観光客が多い。滝を背景に記念写真を撮っているのは、圧倒的に外国人である。最近はどの観光滝も外国人が多いなぁ。
冬の枯れ枝がこんなに多かったっけな、と思いながら、滝を眺めて、さて、次の滝だ。

今回は、中禅寺湖の奥のほうに向かうことに決めている。竜頭の滝と湯滝だ。
実は冬季でなければ、新潟からなら金精峠を通って日光入りするので、この滝たちが日光の滝では一番近い滝になる。
ところが、いつもいつも冬に来るものだから、金精峠が通行止めで、一番遠い滝になってしまうので、つい切り捨ててしまっていたのだ。
中禅寺湖を左手に見ながら進んで行き、まず竜頭の滝に到着。ここはかなり久しぶりである。たしかお土産屋さんの間から見るような滝だったな、と思いつつさらに奥のほうの駐車場に自動車を入れる。
さて、人間の記憶力というのは曖昧なもので、我々はこの竜頭の滝が渓流瀑であることをすっかり忘れていた。しかも、かなり以前(2003年)に来た時にそれをちゃんと見ていることもすっかり忘れていた。
またあのお土産屋から見るか、と自動車を降りて、あれ、こんなところに遊歩道があるぞ、と気がついた。お土産屋とはまったく反対方向、つまり滝の上流に向かって遊歩道は伸びている。
こっちからなら、何も買わないのに申し訳ないな〜と思うこともなく滝を見ることができるかしらん、と、とりあえず歩き出した。
あ、階段。しかも、けっこう登る。
登ってみて、そういえば竜頭の滝って、渓流瀑だったなぁとおぼろに思い出す。
久しぶりの登り階段の連続で息が切れるが、左側に流れる流れが素晴らしい景観になってきた。つまり、息が切れるくらい長い階段全部が竜頭の滝なのだ。

  
  
こんなふうに滝を横から眺められるようになっている。

前方に橋が見えてきた。あそこが竜頭の滝の一番最初だろう。
そこにたどり着くまで、写真を撮りながらゆっくりのペースではあるが、実に10分もかかっている。
橋から見下ろすと、龍の鱗のような流れがずっと先の中禅寺湖まで続いていた。
橋の上流もいい感じの渓谷になっている。
ところで、2003年に来た時、実はこの橋に立って、竜頭の滝を見下ろし、上流の景観も見ている。が、そのこと、ものの見事に忘れてました。現地では、いや〜、奥の駐車場に入れたおかげでいいもの見れたね〜などと感動してました。14年も経ってたら仕方ないって思うことにしよう。

  
  
遊歩道の終点の橋。

  
  
で、その橋から竜頭の滝を見おろす人々。

橋で滝を見下ろし、そのまままた戻って、結局、お土産屋さんから滝の最下流を見た。ちょっとだけ凍っていて、なかなかの風情だった。長い長い渓流を体感するのもいいけど、やっぱり竜頭の滝はここを見ないとお話にならないな、と思う。
さすがに真冬なのでそれほどお客さんもいなくて、何も買わなくても申し訳ない気持ちにもならなかった。

  
  
竜頭の滝のお土産屋さん。

  
  
お土産屋さんの駐車場に龍の彫り物が展示されていた。

さらに先に進んで、雪原と化している戦場ケ原を通り過ぎ、湯滝へ。この滝もたぶん竜頭の滝と同じくらい久しぶりだ思う。
道から外れて駐車場に入ると、すっかり踏み固められた圧雪状態でつるっつる。新潟で慣れている我々だが、ちょっと怖いかも。

  
  
つるっつるの駐車場。

滝の手前にコンビニの形態をしたお土産屋さんがあって、ちょっと楽しい。
それほど歩かずに湯滝の末広がりの姿が見えた。
立派な鑑瀑台があり、滝を見上げることができる。滝からかなり近い位置なのだが、岩盤を滑り落ちる滝なので、水しぶきはほとんどない。落差50メートルもある滝にも見えない。近すぎて、優美すぎる滝はちょっと損をしている気がする。
滝の下流が木道の遊歩道になっていて、雪じゃなかったら魅力的な散策コースのようだった。ちなみに、湯滝から戦場ヶ原方向に歩くと小滝という滝があるそうな。

  
  
湯滝から下流に伸びる木道。

金精峠が通れれば、この先をさらに進んで沼田から関越道に乗って新潟に帰るのだが、冬季通行止めにつき来た道を戻らなければならない。
ほとんど積雪もなく凍結もしていないいろは坂の下りを下って、お約束の般若滝と方等滝を見てから日光市内に突入。世界遺産の建物を見事にすっとばして、霧降高原に向かう。そう、こちらもお約束の霧降の滝を見るためだ。
着いたのはほぼ夕刻。日が傾いて薄暗く、気温も下がってきた。
レストランわきの遊歩道を歩いて行くが、まったく人の気配もない。
あれ、遊歩道、少し歩きやすくなっている。いろいろと補修しているらしい。ちょっとだけお色直しをしたらしいデッキの上に立つと、いつもながら絵画のような霧降の滝が姿を見せていた。

  
  
何度も来ているけど、このレストランに入ったことはないなぁ。

  
  
あ、遊歩道が歩きやすくなっている。

  
  
滝見台もお色直ししていた。

今日は空が暗くて、積雪もほとんどなく、ただ冬の枯れた木々があるだけの色彩のない風景なのだが、達人の迷いのない筆さばきのようなしゅっしゅっとした滝の流れがむしろ生き生きとして見える。
日光の滝めぐりをして、最後に霧降の滝を見るというのが我が家の定番化している。
ほたるの光が後ろで流れているように、今日の滝めぐりの終わりを告げている。
その後日光市内で夕食をとって、家に帰りついたのは、夜遅くなってからだった。こんなに丸一日滝にあてたのは久しぶりのことだ。
また滝三昧の一年が送れそうな気にさせてくれる滝初めだった。

交通
  華厳の滝  最寄ICは、日光宇都宮道路清滝IC。清滝ICからいろは坂を登る。途中、明智平という場所からロープウェイが出ている。これに乗ると、中禅寺湖から滝が落ちる様子が見られる展望台に行くことができる(730円)。(2003年1月に行った時のレポはこちら
明智平を通り越し、いろは坂の終点まで行き、左に曲がると中善寺湖、右に曲がると華厳の滝だ。市営駐車場があるのでそこに駐車。
滝は、エレベーター乗り場の向かって右側あたりからちょっとだけ下に下る滝見台から見ることができる。ここからだと見下ろす図になる。
有料(550円)のエレベーターで100メートル下ると滝前の滝見台に出ることができる。(2009年のエレベーターからの華厳の滝のレポはこちら

  竜頭の滝  華厳の滝駐車場から国道120号線を中禅寺湖を左手に見ながら戦場ケ原方面へと進んでいく。右手に中禅寺湖金谷ホテルなどを通り過ぎ、中禅寺湖をちょっと離れたあたりに右手に駐車場に続く道がある。お土産屋さんの駐車場に入れてもいいが、さらに奥に公共の駐車場とトイレがある。その駐車場とお土産屋の間くらいの場所に滝のすぐそばを登って行ける「竜頭の滝園地」の入口がある。この遊歩道はそのまんまお土産屋にも通じている。遊歩道の終点の竜頭の橋まではゆっくり歩いて10分。

  湯滝 竜頭の滝からさらに国道120号を進んで坂を上り戦場ヶ原を通り過ぎた先の左手に入口がある。すぐに駐車場でそこからすぐに滝である。

  霧降滝  国道120号(122号)から119号に入り東部日光駅方面に進み、案内通りに霧降大橋を渡る。あとはほぼ直進だし、霧降高原、とか霧降滝という案内がしっかりしているので迷うことはない。駐車場に着くと、きれいな森のレストランという建物があるので、建物の向かって右手に遊歩道の入り口がある。遊歩道はなだらかな道でものの5分で滝見台に着く。


日光の滝の過去のレポート
  2003年
  2009年
  2012年
  2014年



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