2017年GW奈良県の滝めぐりその@2017年GW奈良県の滝めぐりそのAR169R425沿いの滝へ

笹の滝





笹の滝
定番の下流の渓流を入れてみた。
やっぱりこの姿が笹の滝の
一番美しい姿だと思う。
けど、ほら、直瀑が小さく見えるでしょう。



同じ位置から横アングル。
滝を含めた空間全部が見事に完結している。



で、これが一番近づいて撮影した直瀑。
大きく写るけど、笹の滝っぽくない。



実は大きさ比較。
右端の一枚岩の上に
親子連れが写っているんですよ。



落ち口。



中央部分。
この岩盤の切れ込み具合が鎧のようだ。




これも大きさ比較写真。
一番滝に近づける場所にて親子連れ。
小さい子供でもちゃんと来ることができる。





これは笹の滝谷橋から見た上流の図。



で、これが橋から見た下流の図。
もう、川そのものが渓流瀑。
岩と水の芸術だ。
2017/5/4   笹の滝(落差30M) 奈良県十津川村      
前置き

2017年のGWは、曜日の並びがよろしくて、長い連休を取ることができた。とはいえ、地方の零細企業に勤める我々は実のところ4連休がせいいっぱいなのだが。
それでも長いお休みであることには変わりないし、今年は人の心配も猫の心配もしなくていいベストコンディションの春である。絶対に遠征しなくちゃ後悔する。
と、いうことで、選んだのは関西の滝めぐりである。
その中でも笹の滝はついこのあいだまで災害が重なって道路が通行止めになり行くことがかなわなかった滝だ。
さらにこの地域、また再び三度大きな災害がないとも限らない場所である。
行けるときに行ってしまわないと、我々のような技術も体力も根性もない人間には見ることもできない滝になってしまいかねない。
よし、今回のメインは笹の滝にしよう。
さて、このあたりの大雑把な方向性は一応ダンナに報告を受けた。いいよ〜、そっちにしようね〜と答えた。
その後、私は桜の心配ばかりして、もう少し先に控えたGWの心配は全部ダンナに任せてしまった。逐次相談も報告も受けていたはずだが、まったくピンときていなかった。
結果、今回の奈良行きは壮大な計画になってしまったと、出発の数日前に気が付いた。毎度のことだが、気がつくのが遅い。ま、それでもなんとかなるものだが。
何が壮大って、笹の滝、不動七重の滝、中の滝という奈良県の百選の滝を3つ見てしまおうという計画だったのだ。
もちろん、前述のとおり技術も体力も根性もない我々なので、中の滝は遠望である。それでも、だ。奈良県の交通事情を考えると、二泊三日で新潟から行く我々がこなせる位置関係ではないのである。出発数日前に地図を開いて、高速道路の全くない奈良県南部のうねうねとくねった国道を指でなぞって、出発は暗いうちだな、と覚悟した。
ダンナの計画では出発日の5月4日は移動日で十津川の宿にたどり着くだけ。5日に笹の滝と不動七重の滝、6日に大台ケ原の大蛇ーから中の滝、という具合になっていたが、笹の滝は4日に見終えるのを目標に据えた。奈良県の移動を甘く見てはいけない。
そんなこんなで、起きましたともさ、午前4時。それでも、明るくなってからの出発で、午前5時には自宅を出た。

だから、古いナビはさ〜
連日テレビニュースで高速道路の渋滞を流していたが、実は新潟から関西に入るのにさほど渋滞する箇所はない。問題は大阪のど真ん中を突っ切る箇所で、ナビに案内させたら、渋滞の赤い表示の場所に行けというではないか。そりゃダメだろう。
地図によれば十津川に行くには五條市のインターを出て国道168号を南下するのが一番いい。その五條市のインターに行くには色々なルートを選択できるのだ。とにかく大阪の手前の草津PAで地図を広げどう進むか検討する。しかし、ここで検討したわりに行き当たりばったりで、結局京滋バイパス第二京阪道路近畿自動車道南阪奈道路と乗り継いで葛城で高速道路を降り、国道168号を南下した。これがベストの選択かどうかは全く分からない。なにせ、新潟の田舎では高速道路の選択を迫られるシーンはほぼ全くないうえに、ナビの情報が古くて、新しく建設された道路は全く反映されていないのだ。しかも一般道は随所で工事が行われていて、通行止めや迂回を余儀なくされる。ナビ、融通がきかないからさ、通行止めの道に戻れって言うのよ。さらには、山奥に入るとGPSさえおかしくなって、絶対それ違うだろうっ、という細い道に誘導しようとするのだ。それでもなんとか、がんばって十津川村に入ることができた。
十津川村は日本で一番大きな村だそうで、確かに延々と十津川村だった。が、どんどんと道がさみしくなってくる。
途中、谷瀬の吊り橋という観光名所らしい場所ではいくらか自動車の混雑があったが、ほかには渋滞のひとつもなかった。と、いうより、むしろ心配になってくるくらい通りがなかった。
しかも、その少ない自動車たちから、我々の向かう笹の滝への道に入る自動車となると、もう、本当に我々の1台きりになってしまった。
国道168号を風屋ダムまで進み、そこから左折で滝まで向かう。国道から離れたとたん、こりゃ林道だよな〜という感じの細い道になる。が、我々をびっくりさせたのは、随所にバス停があるのだ。こんなところにバスに乗る人がいるのか、といった場所にもぽっつりとバス停がたたずんでいる。
そして、忘れたころに集落が出現する。
なんでこんなに山奥に、といった場所に集落があるのだ。時には昔は人が住んでいたんだね〜といった感じの廃屋などもあったりする。
しぱらく進むと、ちょっと広い埋め立てたような場所になぜか公衆トイレがあり、そこのバス停から川を渡って山を登るくらいの場所にも集落が見えた。なんか切なくなるくらい山奥に来た感じがする。特に新潟のだだっ広い平野のど真ん中で生まれ育った私にとって、こんな山奥にまで人がいて生活していることが想像さえできない。それが現実目の前にあると、驚きという感情よりも畏怖という感情に近いものを抱いたりする。
そこがたぶん、バスの終点なんじゃないかなぁ。
  
ちゃんとお手洗いと書かれた看板もある公衆トイレ。目印になる。
公衆トイレから先はさらに道が細くなり、すれ違いも困難な感じになる。
どこまで続くのかな〜と思ったら、いきなり前方に不自然に自動車が何台もとまっている場所があった。
ここか?この道でこんなに自動車があるなんて。いや、と言っても10台もないけどさ。
よく見ると笹の滝売店とあり、開店していなかったが、ここが笹の滝に間違いなさそうだった。
とりあえず、自動車をあいた場所にとめて、先に向かって歩き出す。
時刻は15時半くらい。新潟を出発して10時間ちょっとたっている。
少し歩くと、左側に公衆トイレがあり、道は左に向かってゆるやかにカーブしているが、そのカーブの曲がりはじめあたりの右側に笹の滝と書かれた遊歩道の入口の目印があった。

  
おお、ひさしぶりに自動車がたくさん。

  
先に進むと、左手にトイレがある。

  
笹の滝とかかれたアーチをくぐると遊歩道だ。

ついに笹の滝到着
舗装された道路から遊歩道に入ると、いきなりうっそうとした山になる。ってか、林道自体山の中をうねうねと走っていたわけだから、そこをはずれると山奥感が高まるのは当たり前のことだ。
ちょうど小学生の兄妹を連れた家族連れがわれわれの前を歩いていた。整備された遊歩道なので、子供でも大丈夫だが、サンダルやハイヒールではやめたほうがよさそうな場所だ。

    

    

  
  
遊歩道はこんな感じ。立派な登山道でハイヒールでは無理だ。

5分ほど歩くと、開けた川辺に出た。滝は? 見えない。上流方向にどーんとデカい岩がある。その岩の手前で川のすぐそばまで行って上流を見ると、おお、見えた、笹の滝だ。でっかい滝だな〜。
実は私、笹の滝はもっと小さな滝だと思っていた。と、いうのも、いろいろな写真集で手前のきれいな流れと共に滝を写しこんでいるので、滝が遠く小さく写っている写真ばかりを見ていたのだ。笹の滝そのものは、落差30メートルもある立派な直瀑だ。
ところで、よく調べてもいない我々は、てっきりこの大岩の手前の川辺から見るのが笹の滝の見る一番近い場所だと思っていた。
が、一緒に来る形になった家族がさっきの目前に立ちはだかる大岩の隙間をくぐってさらに上流に進むのが見えた。
あ、行けるんだ。
そういえば、きちんと鎖が手すりになるように取り付けられている。よくよく観察すれば行けるのはわかったはずなのに。危ない危ない、見落とすところだった。
家族に続いて岩の隙間をくぐる。大人だと、いや子供でも身をかがめないと通れないくらいの隙間である。

  
くぐり岩の手前の川辺。左欄一番上とその下の写真はここから撮影。ちなみに、滝は右方向。

    
  
うまく写っていないので状況がわかりづらいが、大岩をくぐって行く。右は岩の中から外を見た図。

  
  
岩のトンネルの向こうは一枚岩をナメた流れだ。

大岩の向こう側は、てろんとした一枚岩が滝まで続いていて、ところどころ苔で緑になっているので滑りやすそうだ。
こちらにもちゃんと鎖で手すりがつけられているので、安全に行くことができる。
一枚岩の先には階段があって、積み重なった大岩の上に出られるようになっていた。
その上は滝つぼと同じ位置になる。

    
  
階段までとりつけられていて、いたれりつくせり。

しかし、滝つぼの前には苔むした大岩がゴロゴロと積み重なっていて、滝つぼそのものは見えない。
実は、鎖はあちこちの岩にくくりつけられていて、無理をすれば滝つぼを覗き込める位置まで登れそうだった。
しかし、家族連れが一組、もう一組とやってきて、やんちゃな男の子も含まれている。そのこたちが真似をしそうな危ないことはできなかった。
右岸の崖方向に張られた鎖には、これより先は事故防止のため一般観光客の立ち入りを堅く禁止します、と書かれた貼り紙もある。ってことは、その位置までは登っていいのかな〜とも思ったが、お子様の教育上マズイと思ってやめておいた。

  
実はあんまり目立たない看板。

しかし、滝つぼは見えないにしても、直瀑にこれほどまでに近づけるとは思わなかった。見上げるほどに大きな滝である。
来てよかったなぁ。初日にして、今回のハイライトみたいなもんだなぁ。
2組の親子連れと一緒にあっちからこっちから滝を堪能して、ゆっくりと来た道を戻った。
時刻はまだ16時を少し回ったところだ。日没にはまだ間がある。
十津川村にはいくつか滝があるので、それを拾いつつ、十津川温泉に予約している民宿に向かうことにした。

         そのA国道169号、国道425号沿いの滝へ
  
 交通
最寄ICはたぶん南阪奈道路の葛城IC。そこから国道168号線に出てひたすら南下する。
十津川村に入り、右手に谷瀬の吊り橋の入口を見ながら通り過ぎ、さらに進むと、風屋ダムサイドになり、トンネルがいくつか続く。このあたりから注意していると左側に大きく笹の滝と書かれた看板があるので、その道に進む。
そこから先はほぼ林道だがバスも通る道なので、十分に注意して走行すること。
10分ほど進むと本文中にも書いた公衆トイレが左側にある。そこからさらに20分ほど進むと笹の滝の入口になる。
遊歩道は整備されているが、木の根などの張り出した登山道と同様なので、足回りはきちんとしていたほうが安全だ。
行き方は十津川村観光協会の笹の滝のページに詳しい。

2017年GW奈良県の滝めぐりそのA国道169号、国道425号沿いの滝へ
2017年GW奈良県の滝めぐりそのB不動七重の滝、国道425号沿いの滝へ
2017年GW奈良県の滝めぐりそのC中の滝、西の滝へ
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