2007年初秋の南東北@そのA秋保大滝へ
   蔵王エコーラインの滝(三階滝他 



三階滝
百選の滝のわりに、
こんな画像しか撮れずにすみません。
緑が濃すぎるうえに、霞かかってました。


上部のアップ。
こうやって見ると、水量が多い時は
もう少し幅広になりそうである。


下部のアップ。
分岐していて綺麗なんだけどなぁ。
滝つぼはどんなに身を乗り出して
覗き込んでも見えなかった。



三階滝の滝見台から見た不動滝と
赤い矢印の先にかすかに見える
たぶん地蔵滝。
こんなに遠くても不動滝の瀑音は
大きく聞こえる。


不動滝
不動滝の滝見台から撮影。
秋になれば、
もうちょっと手前の葉っぱが落ちてくれて
滝つぼや川が見えるらしい。



肉眼ではこんな感じに見えます。
遠い。




不帰の滝
こまくさ平の滝見台より。
深い谷底に落ちていく滝だ。
おかげで影になってしまっているわ、
滝つぼは見えないわ。
滝好きにはちょっとストレス。
お釜の水が流れ落ちている滝らしい。




振子滝
ものすごく細く見えるが、
滝見台からだと、けっこう目立つ。



青空と山と、中央に振子滝。
2007/9/15   三階滝(落差181m) 百選
           不動滝(落差54m)
           不帰の滝(落差45m)

今年の秋は、仕事の都合上ロクな連休が無いというのは、1月にもらったカレンダーからすでに分かっていた。
唯一の三連休になるのが9月15日から17日である。
ちょっと足を伸ばして遠くに行けるのは、この三連休以外にない。さりとて、軍資金も無い。おまけになんだか9月だというのにめちゃくちゃ暑い。
近場でお金がかからなくて、ちょっとゴージャスなラインナップで滝がいっぱい見れて、などと考をめぐらせていた。
どうせ滝をめぐる旅であるのなら、百選の滝を見たいものである。しかし、近場の百選の滝は見尽くしてしまっている。
あとは新潟よりさらに暑い関西以西の滝しか残っていない。遠すぎる。
ならば、滝めぐりの初期に行った滝で、デジタルの画像が残っていない滝をめぐるっていうのはどうだろう。
そんな単純な発想から、今回は宮城と山形の滝をピックアップすることにした。
蔵王から始まって秋保、最上峡から月山というコースである。百選の滝は、三階滝、秋保大滝、白糸の滝、七ツ滝というどれもこれも駐車場からすぐに見られるお手軽滝ばかりだ。
よし、今年の秋は南東北に決定。ネットで東鳴子温泉の宿を探して、1泊2日の旅に出た。

午前7時過ぎに自宅を出発して、通勤割引2回利用で福島飯坂ICで高速道路をおりる。そこから国道4号線を北上。(この道が工事をしているわ、ルール無視の低速車がいるわ、ダンプがひしめくわで大変だった)国道457号を経て蔵王エコーラインに入り、三階滝の滝見台に到着したのは午前11時過ぎだった。
エコーライン本線から左側へ登って行く細い道に入ると少しで滝見台の駐車場だ。山形名物(宮城なんですけど)玉こんにゃくの販売などしていて、観光色たっぷりである。
そこから1分も歩かないで滝見台。正面やや左側に三階滝、右側ずっと遠くに不動滝が落ちているのがわかる。
  三階滝の滝見台は広い。
しかし、午前中でやや逆光気味のうえに、霞がかかっているように白くぼやけていて、滝なんだか緑なんだかわからない状況だった。
特に三階滝は緑に埋もれそうになっていて、落差はあるのだが立派に見えない。むしろ遠くではあるが轟音をとどろかせている不動滝のほうが目立ってしまっている。
カニとウナギの棲みか争いの伝説がある、と、ご丁寧にどちらの滝の説明板にも書かれてあったのだが、いったいどんな伝説なんだろう。
よくよく見ると、不動滝の上流なのか、はるか遠く上方にも滝が落ちているのがわかった。
近くにあったイラスト看板によると、三階滝、不動滝のほかに地蔵滝という沢筋の違う滝があるらしいのだが、それかもしれない。
それにつけても、三階滝を見るのも撮影するのも、緑の濃い時期はNGだと痛感した。まともな写真も撮れないので、さっさと先を急ぐことにする。
エコーラインをさらに山形側に向かって進むと、ややして、左側に不動尊があり、その前に駐車スペースがある。路肩が広くなった程度なので、駐車するのに注意が必要だ。
  
不動尊が目印の不動滝滝見台。
ここから不動滝の滝見台に行ける。と言っても、さっきの滝見台よりやや不動滝に近づいたかな〜、といった程度である。しかも、木立に阻まれて、スコーンといった感じでは見られない。
ここで、研究路は落石がひどいので通行止めにしたとの看板を発見。ただ、その看板の向こうにはしっかり踏み跡があったので、自己責任で滝に近づいて行く人は毎年いるのだと分かった。
  
立ち入り禁止の看板。
我々は今回はお手軽滝めぐりに徹するつもりなので、もちろんそちらには踏み込まなかった。
エコーラインの滝はまだもう一つある。不帰の滝と書いてかえらずの滝と読む滝だ。三階滝や不動滝よりもかなり標高が高い場所にある滝である。
不動滝から見て山の上のほうは雲の中だったので、もしかしたら見えないかもしれない、と思いつつ、それでも自動車を走らせた。
案内看板にあったのだから、どこかから地蔵滝を見ることができる場所の案内でも出ているかもしれない、と思いながら走ったのだが、それは無かった。
峨々温泉への分岐にあるトイレに寄って(三階滝、不動滝の滝見台にトイレは無いので注意)さらに走ると雲に突入した。あたりが白くなり、景色などまったくのぞめない。こりゃあ行くだけ無駄かもしれない、と諦めかけていたら、いきなり雲から出た。
どうもある程度の標高の場所にだけ雲がわだかまっていたらしく、それより上になったら青空が広がり、ものすごくいいお天気になってしまった。
今までの曇天はなんだったんだろう。ジェット飛行機で雲の上に出たような気分である。
  
  
この向こうにお釜がある。たぶん五色岳。
賽の磧の延命地蔵を通り過ぎると左に広い駐車場(ここにはトイレもある)右にお土産屋のある「こまくさ平」になった。
実は不帰の滝の場所を正確にわかっていなかったのだが、右側のお土産屋の裏のほうに滝見台みたいなのがあるし、人がたくさん見に行っているし、きっとここだろう、と自動車をとめた。
滝見台まではゴロゴロとした火山岩がむき出しの道を歩く。歩いて行くとその向こう側がぱっくりと谷になっていて、対岸にとても細い二段の滝が見えた。あ、あれが不帰の滝か。青い空に映えてなんて繊細な滝なんざんしょ。
いや、待て、この耳に届いている轟音はあの滝のものではあるまい。
正面の滝見台は人の背よりやや高いくらいだが、そこから見下ろす感じの谷の突端に白い流芯が見えた。
すすすす、すいません、不帰の滝。ものすごく立派な滝でした。最初に見えた二段の滝の数十倍の水量を誇る滝が谷底に落ちている。
だが、滝見台に上って見下ろしても滝つぼが見えない。谷が深すぎる。
それがまた神秘的でもある。
でも、見下ろす構図の滝はどんなに豪快な滝でも面白みがない。
どっちかというと滝見台から右側に首をめぐらせた対岸にあるあの細い二段の滝のほうが綺麗に見えてしまう。
あとで調べたら、あれも「振子滝」という名のある滝だった。振り子のように揺れるからではなくて、振子沢の滝だから振子滝である。
滝見台からお土産屋とは反対側にもまだ柵がはられていて先に進めそうだったので、ゴロゴロの岩の上を行ける限り行ってみた。
振子滝は近づいたが、どんなにがんばっても不帰の滝の滝つぼは見えなかった。
この赤茶けた火山岩の大地にはコマクサが沢山咲いていたのでコマクサ平という名まえかついたそうなのだが、今では踏みつけや乱獲でほとんど見られないのだと看板に書いてあった。残念なことだ。
  
滝見台下。火山岩がゴロゴロ。

  
矢印の先に滝見台があるんだけど。

  
一番離れた場所に行っても見え方は変わらない。
ここから少し上って、有料の蔵王ハイラインを通って行くとエメラルドグリーンのお釜に出るのだが、我々はここでUターン。甚だ偏った興味しか持たない観光客でごめんなさい。
ちょうどお昼時だったので、延命地蔵のそばの駐車場の裏っかわでコンビニおにぎりの昼食にした。ものすごい青空だったのが、下から雲が迫ってきてあっという間に白くなってしまった。蔵王のお天気は気まぐれである。

さて、次に目指すのは秋保大滝だ。エコーラインを来た方向に戻り、国道457号を北上して秋保街道を目指した。

      そのA 秋保大滝周辺の滝へ
交通
  最寄ICは東北自動車道なら白石IC、もしくは村田IC。山形自動車道なら宮城川崎IC。いずれからでも蔵王エコーラインは観光地なので道案内はしっかりしていると思う。
リンク 蔵王町観光協会

2007年初秋の南東北A秋保大滝周辺の滝
2007年初秋の南東北B姉滝、妹滝
2007年初秋の南東北C鳳鳴四十八滝
2007年初秋の南東北D鳴子付近の滝(白糸の滝、不老の滝)
2007年初秋の南東北E白糸の滝、七ツ滝

んがお工房の日本百名滝めぐり  滝レポートトップ  掲示板