そのD鳴子付近の滝へ2007年初秋の南東北E
   白糸の滝、七ツ滝他 



白糸の滝
木々に埋もれてしまいそうだが、
実際に肉眼で見ても見落としかねない。
赤い鳥居がおもちゃみたいに見える。


手前が最上川。
こんなに茶色い流れだったっけ。
最上川が幅広い分、
なおさら滝が見つけづらい。
山々にある緑の中の茶色い木は、
紅葉しているのではなく、
枯れているようだった。



鳥居をアップにしてみた。
おもちゃみたいに見えるが、
杉の木の太さから言って、
普通の神社の鳥居くらいの大きさは
ありそうである。
ただ、鳥居の下にも脇みに踏み跡さえないので、
ほとんど人も行かないお堂なのだろう。





きれいな滝でしょう。
道の駅月山からみえる滝で、
たぶん無名。



全体の風景はこんなかんじ。
このつり橋からバンジージャンプするそうだ。
滝はつり橋の向こうにあるトンネル施設の下から
突如として流れ出ている。



で、最終的にきゅっとつぼまって、
梵字川に注ぐ。





米の子の滝
細長い滝なのだが、
それの半分くらいしか見えていないと思う。
なにせ、上も下も緑だらけだ。



滝のはるか上空に
たぶん山形自動車道の橋が見える。
ここまで引くと、滝の細長さがわかるかも。



後ろ側にも緑。




七ツ滝
いやな予感はしていたが、
この滝も緑に埋もれてしまった。
谷の向こう側に落ちているのを見るので
木々が邪魔をするのは仕方がない。
三条に分かれた水が、
また一つに集まって滝つぼに落ちる。



三条に分かれる前にも
一段くらい段差があるようだ。



なんとか木々の隙間を選んで
滝つぼを撮影。
滝つぼは浅く見えるが、
この滝自体落差が90メートルあるので
見た目では測れない。
2007/9/16   白糸の滝(落差123m) 百選
           米の子の滝(落差25m)
           七ツ滝(落差90m) 百選

南東北滝めぐりの旅も残すところ山形の百選の滝2つとなった。百選の滝を2本同時に1ページのレポートにしてしまうのには気がひけるが、どちらもアプローチに困難がなく、しかも見られる場所が限られているのでレポが短いのである。ご容赦ください。

国道47号線を宮城県から山形県に向かって進んで行くと、雲行きがどんどんと怪しくなっていった。ぽつぽつと雨が降り出して、しまいには土砂降りになってしまった。
これでは、どんな滝でも写真撮影は厳しい。
傘をさして雨だれを覚悟して撮影しなくてはならない。
幸い、これから向かう滝はみんな駐車場から全く歩かない。半分濡れる覚悟であれば、形だけでも滝の撮影はできるはずだ。
雨で霞の向こうに消えてしまうこともないだろう。たぶん。
そんなこんなで山形に入り、間もなく、最上峡のドライブインに到着。イヤでも見落とさない「白糸の滝ドライブイン」に自動車を駐車。
幸いなことに雨は小降りからやみそうになっていた。ありがたい。
だが、白糸の滝とドライブインの間をとうとうと流れる大河になっている最上川の色は茶色く濁っている。
前に来た時に行きかっていたライン下りの船も見当たらない。雨だったからかしらん。
バスの観光客の間をぬって、ベストポジションを探してみた。
ドライブインの外側からは滝が緑に埋もれてしまってよく見えない。
どうもドライブインのレストランの中に入るか、ライン下りのチケットを切ってもらって入る場所まで行くかしかないみたいである。
だが、レストランだと窓ごしになってしまって、窓の雨粒が邪魔みたいだし、もちろんライン下りに使える予算などないし。
ウロウロして、まあトイレにでも行って考えようということにしたる
と、トイレの窓からドライブインの横の敷地が見えた。民家の裏が空き地になっていて、その向こうに神社らしきものが見える。その神社まで行けばもしかしたら滝がクリアに見えるかもしれない。
トイレから出て、ダンナに隣に行けそうだと告げる。
観光客でごった返すドライブインから出て、隣に向かおうとすると、ドライブインと民家の間がスコンと抜けていて、真正面に白糸の滝が見えた。ほんのわずかなスペースだが、白い流れが上から下まで見える。こここそが真正面だ。よし、ここで撮影。
結局神社らしきところまで行かないで、ここですませてしまった。

次は、羽黒山をぐるりとまわって南に下り、湯殿山の近くにある百選の滝七ツ滝である。そちらから回ると手前に米の子の滝という滝があるので、そこに行ってみよう。
この滝は、米の子の滝ドライブインというドライブインから見えるというからまず迷うこともないだろう。
と、思っていた。
が、我々は道の駅月山に入ってしまって、これこそが米の子の滝ドライブインが昇格した姿なのだ、と信じ込んでしまった。知らないとは恐ろしいことである。
で、滝はどこだと探した。
道の駅月山は鶴岡がわから進んで行くと、左がわに駐車場、右側に施設がある。とにかく道を渡って、その施設の裏側にあるらしい川に向かおう。
川にはつり橋がかかっていて、そのつり橋は日本で初の常設バンジージャンプ会場となっているらしい。
つり橋の向こうにはトンネルみたいなものを利用したワインの貯蔵庫などもある。
で、滝は、滝は。あった。つり橋の向こう側、トンネルのワイン貯蔵庫の下あたりに、とても綺麗な分岐瀑が落ちていた。
落ち口が建物なので、イマイチ人工っぽいニオイもしないでもないが、それをカットすればかなり綺麗な姿をした滝である。
よしよし、これで米の子の滝は押さえた。
って、ちょっと待て。米の子の滝の写真は色々なサイトでよく見ているが、ストンとした直瀑である。これは、絶対に米の子の滝ではない。
だが、見渡す限り滝といえばこのつり橋のそばの滝しかない。
つうことは、何?ドライブイン違い?
首をかしげながら自動車に戻り、駐車場にあった周辺地図を見てみた。
あ゛〜〜〜っ、米の子の滝ドライブインはこの先にある〜〜〜。
とんでもない間違いをしたものである。
大笑いをしながら自動車を先にすすめると、すぐに左側に間違えるわけのない大きな看板で米の子の滝ドライブインがあった。
  分かりづらいだろうが、自動車から見える米の子の滝ドライブイン。
とりあえずドライブインに自動車を入れて滝を探す。
これが、名まえが米の子の滝ドライブインというのに、矢印さえ出ていない。
一応川の方に歩いて行けば見えるのだけど、扱いがひどいじゃないの。
裏手の庭のようになっているスペースにはほとんど人もいなく、滝を気にする人なんて皆無だった。
滝は、本当に細長く、ストンと落ちている直瀑である。
緑の多い季節だったので、滝つぼまではどんなに覗き込んでも見えなかった。梵字川を挟んで対岸に滝が落ちているのだが、滝を見るスペースはドライブインの敷地裏全部といってよく、滝前を右から左へ移動することができる。
が、直瀑なので表情は同じ。
簡単に撮影を済ませて、このドライブインで昼食にした。
どちらの滝も雨が降っていなくてよかった。

米の子の滝から百選の滝である七ツ滝へはすぐに行ける。2000年に来た時に田麦俣集落に入る道を間違えて引き返したのを覚えていたので、今回はすんなり行けた。とにかく、田麦俣は国道112号の右側にあるのだが、道は左側に曲がって国道112号をくぐって右側に出る、とだけ覚えていれば充分だ。
あとは細い道を下りながら集落に入り、多層民家の前を通り過ぎて今度は上り、しばらく進むと右手に鳥居が見え、左側に駐車場がある。
  
多層民家。

  
上の民家とこれが2つ並んでいるが、その他の家はものすごく近代的だったりするので、違和感がある。

  
七ツ滝滝見台の入り口。
それほどいいお天気ではなかったが、雨は降らずにいてくれた。
驚いたことに、そんなお天気の時にこんな場所に滝を見に来た人がまだ他にいた。いや、待て、百選の滝だもの、他に訪問者がいたっておかしいことはないんだけど。
七ツ滝は滝見台から見るだけなので、一方向の表情しかとらえられない。
滝見台も緑が濃くて、まるでものかげから覗き見ているような感じである。
ちょうどよく滝を見られる場所からは滝つぼが見えないのか、足場になるようなコンクリートの台がある。そこに立って、なんとか形になる滝が見えるようになる。
  撮影中のダンナ。このコンクリートの台に上らないと、滝がよく見えない。
入り口のイラストに滝見台からさらに上ると天狗の相撲場というのがあって、そこから別の角度で滝が見られないものかしらん、と登りかけたが、どうも方向的にも木の繁り具合からも滝は見えないようなので途中でおりてしまった。(なにせ、暑かったもので)

これで今回の南東北の滝めぐりは終了したのだが、どうせここまで来たのだから、日本の名水百選の月山山麓湧水群でも取材してやろう、とスケベ根性を出してみた。これがまたカーナビ「じゅごん」ちゃんに案内を頼んでひどい目にあってしまった。
月山山麓湧水群は、月山の湧き水ということで、一箇所ではないのだが、そのうちの一番有名どころは県立自然博物園の中にある湧き水なので、自然博物園を入力したら、とんでもない山道に案内されてしまった。
いや、もともとこの自然博物園そものがものすごい山の中にあるのだが、旧国道112号線を湯殿山がわから案内されてしまった。
普通なら遠回りでもいったん新道で月山湖まで行ってから弓張平を通って志津集落に入って行ったほうがずっと道も広いし楽なのである。
だっちゅうのに、ものすごくまっ正直に手近な道を案内してくれたので、細くてぐねぐね曲がった峠道を延々走らなくてはならなかった。カーナビにまかせっきりも考え物である。
とにかく、ようやっと自然博物園に着いたら、なんと小学生と保護者の団体がどっさりといた。ものすごくマズいタイミングでこれからハイキングに出かけるちょうどその時だった。こ、これはとても付き合いきれない。
この自然博物園内の湧き水は諦めよう。幸いにもこのすぐそばにも湧き水がある。
と、いうことで、我々が取材した月山山麓湧水群は有名どころではなく、そのすぐそば、月山荘の入り口にある「ブナの湧き水」である。
  自然博物園への道から見えるブナの泉の看板。この看板からすぐにブナの泉だ。

  ブナの泉。一見ただの池。

  この石の下あたりから湧き出ている。

  
これは、道の途中にあった水道施設らしいもの。おそらく湧き水だ。
直接飲むためのひしゃくなどがなく、湧き出ている場所にペットボトルをつっこんで汲んだ。とても冷たい水だった。
帰り道は、もちろん月山湖のほうに出た。
途中に水道施設のようになっている湧き水もあったが、車窓より撮影しただけで味見もしなかった。月山の湧き水は炭酸を含んでいるということなので、せめて味見くらいはしておけばよかったとちょっと後悔。

その後、置賜地方に自動車を進め、ふただび最上川のそばを走って、国道113号から新潟に戻った。道の駅関川にある温泉に入って、比較的早いうちに自宅に着いた。
今回はせっかく行ったのだからと欲張らずに、自動車から近い滝ばかりをチョイスして回ったので、それほど疲れることもなかった。
一泊二日で行ったわりにはそれほど滝は見なかった印象があったのだが、こうやってレポしてみたらけっこう見ていたし。
だが、総じて緑の濃い時期の滝はストレスがあるなぁと分かった。葉っぱが流身を隠してしまっている滝がなんと多かったことか。覗き込んでも草ばかりで滝つぼが見えない滝がどれほどあったことか。
やっぱり滝は紅葉か新緑だわね、と納得してしまった今回の旅だった。

交通
  白糸の滝  最寄ICは山形自動車道酒田IC。国道7号線に出て北上、国道47号でひたすら宮城方面に進む。左手に最上川を見ながら進むと、左側に大きなドライブインがある。最初に出て来る洋風の建物の次にあるいかにもドライブインといった場所から白糸の滝はよく見える。
  米の子の滝  最寄ICは、山形自動車道庄内あさひIC。国道112号に出て梵字川沿いに月山方面に進む。と、道の駅月山がある。そこのつり橋下にある滝も綺麗なのでぜひ見ておいて欲しい。米の子の滝は、道の駅のさらに先の左手にある米の子の滝ドライブインの裏から見える。
  七ツ滝  米の子の滝からさらに月山方面に進むと、道路標示で左折すると田麦俣だという案内がる。その標識に沿って左折、国道112号線をくぐって下って行き、田麦俣集落に出る。多層民家の前を通り過ぎて、今度は山を登る感じで進んで行くと、右手に鳥居が見える。そこから対岸に見える。
東北自動車道から行くとしたら、月山ICから国道112号を鶴岡方面に進むが、その場合は本文中のルートとは逆がわから行くので、曲がる方向が違うことになる。注意してください。

2007年初秋の南東北@蔵王エコーラインの滝(三階滝他)
2007年初秋の南東北A秋保大滝周辺の滝
2007年初秋の南東北B姉滝、妹滝
2007年初秋の南東北C鳳鳴四十八滝
2007年初秋の南東北D鳴子付近の滝(白糸の滝、不老の滝)

んがお工房の日本百名滝めぐり  滝レポートトップ  掲示板