2012年南紀滝めぐり@2012年GW南紀滝めぐりA那智の滝へ
八草の滝





八草の滝
「はその滝」と読む。
日置川の対岸の崖から落ちている。
水の流れが確認できただけ
むしろラッキーかもしれない。
滝見台の先のほうまで行くと、
手前の樹木が滝の中ほどを隠してしまう。


これが見た目。
滝、わかんないでしょう〜。


で、ちょっと寄ってみる。
ようやく白い筋が見える。
それにしても、この滝はどこから
水を集めているのか。
背後に山が見えないのだが。


手前の杉林の杉の間から見た。
ただ、この滝の水量が豊富になるほど
雨が降ることがないほうが
むしろいいのかもなぁと思ったりして。
そういう意味では穏やかな表情を見られて、
かえってよかったかもしれない。
2012/4/28   八草の滝(落差22M)   和歌山県白浜町

百選の滝をめぐることをメインのコンテンツとしているはずの当サイト、ここしばらくはのっぴきならない理由で遠い滝には行けない状態でいた。
もちろん、今現在も大きな理由の一つである経済状況は相変わらずなのだが、ちょっとだけ資金を捻出することができた。もう一つの大きな理由になる飼い猫の健康状態は、今がベストの状況だ。ここを外すと、2匹の猫が介護が必要な状態になるのも近いのである。そうなると、また、しばらく家をあけるわけにはいかなくなる。
そんなこんなで、資金的にはかなり無理があったが、行かないワケにはいかないだろうという日本三名瀑の未だに行っていない滝、那智の滝に行ってしまえ、ということになった。
なぜ、そんなに大切な滝を今日の今日まで残しておいたか、という疑問の答えは簡単である。我々の住む新潟から那智の滝のある南紀はものすごく遠いのである。同じ本州でありながら、パスポートの必要な外国よりも遠いかもしれない。
ところがここ数年であちこちで分断されていた高速道路が新しくつながって、比較的行きやすくなったのである。特に東海北陸自動車道が全面開通したのは大きく、紀伊半島がぐっと近くなった。
さらに、今年は年明けに袋田の滝、3月に華厳の滝を見て、那智の滝を見れば三名瀑コンプリートだわね〜というスケベ根性も加わった。
首尾よく安宿も確保できて、準備も整った。
4月28日土曜日。遠い遠いと嘆いている割にはいつもの会社に出勤するのと同じくらいの時間に自宅を出発した。
この日はほぼ移動だけを考えている。
高速道路はおおむね順調で、1か所の事故渋滞で30分ロスしたほかはほとんど渋滞はなかった。

今回、紀伊半島に行くのだから、ついでに回れる百選の滝をできるだけ拾うことにしていた。特に八草の滝については、次回に回すにしてもほかに一緒にできる滝もないし、残しておくとなかなか行きづらい滝になるのがわかっていたので、どうしても片づけておきたかった。
というワケで唯一八草の滝のためだけに新潟からはやや遠回りになるが、大阪経由で和歌山市方面から紀伊半島に入った。阪和自動車道が田辺まで伸びているので、思ったよりも大阪から遠くない。
が、問題が一つあった。
ガソリンスタンドがないのである。
田辺市内で給油すれば問題なかったのだが、国道42号線ならたくさんあるだろうと思っていたガソリンスタンドがない。いや、厳密に言えば皆無ではないのだが、我々の持つカードの特典が使えるスタンドがない。選り好みしていたらホントーになくなってしまって、冷や汗が出るくらいでようやくスタンドが見つかった。
これでガス欠の心配もなくなったので、八草の滝に向かう。
国道42号線は海岸沿いを走る道だったが、県道に左折すると、日置川沿いの道になる。けっこう込み入った集落内を走り、前方の見事に植林された杉のこんもりとした山を見ながら進むと、いつの間にか林道のようになった。
この県道沿いに滝見台があるというので、滝らしい地形を気にしながら進む。が、左手に流れる日置川は林に見え隠れしているのだが、いっこうに滝っぽい雰囲気の地形にならない。
間違っていないはずだけどなぁと思っていると、まったく滝見台っぽくない場所に小さな看板が出ていた。滝名の看板よも落石注意の文字のほうがずっと目立つ。
反対側からのぞいてみたら、ちょっとだけ大き目の看板がちゃんと出ていたが、我々のように海のほうからここに来るとその看板は裏になってしまうので見えない。
細い林道のような県道なので道路に駐車するわけにはいかないが、がんばれば2台くらいは駐車できるスペースが看板の近くにある。我々もそこに駐車した。
  
海がわから滝見台はこんな感じ。

  
反対側からだと立派な看板がある。

  
滝見台というより路肩。
さて、このほぼ路肩と言っていい場所から少し入ると観瀑台があるのかしらん。と、踏み跡のような道をたどると、なんにもなかった。完全に路肩だった。柵も台もない。
ただ、樹木が前方にないので、日置川がきれいに見える。
いや、待て、我々が見に来たのは日置川のエメラルドグリーンの流れではない。
八草の滝である。
前々から八草の滝はしょぼい、とか、水がない、とかいうことがあると聞いていたので、覚悟はしていた。
が、どこにあるのかわからない。
たぶん、あの深くなっている谷の先なんじゃないかな〜、と目をこらすと、おお、水が落ちている。
「あれだよ〜」
新潟から長い長い距離を走ってきて、一発目に見る紀伊半島の滝。百選の滝である八草の滝。ああ、どうやって感動したらいいんだろう。
日置川を挟んでかなり遠いとはいえ、とんでもなく遠望というわけじゃない。
とりあえず水も落ちているので、運悪く干からびた状態でもない。
でも、よりによって、どうしてこの滝を百選にしたかなぁ。
話によると、滝の直下まで道路が通じていて、住民に親しまれる滝だったそうだが、そういう滝、和歌山県にもっとたくさんあるだろうになぁ。
滝の近くの樹木で滝の流れ落ちの全部が見えるわけではないので、自動車をとめた近くの盛り土に登ってみたが危険なだけで何も見えなかった。
むしろ、手前の杉林の杉と杉の間からなんとか途中が切れることなく見える。
ま、とりあえず、スタンプラリーのスタンプを一つ済ませた、という気分で、来た道を戻り、本日の宿である那智山に向かうことにした。

ちなみに、今回の遠征の宿はすべて素泊まり。朝、昼食はコンビニ、夜はファミレスかファストフード、と決めていた。これがまた紀伊半島ではけっこう難しいことだと判明した。大きな都市にはコンビニはあるのだが、ファミレスはない。ナビで食事ができる場所を探してもない。国道42号線沿いには焼き肉店が多いがラーメン店もない。おそらく集落内に入っていけば、地元の人が利用するお店があるとは思うのだが、旅行者は迷うばかりである。
ようやく串本に入って旅行者でも入りやすいレストランをみつけて食事をすませて、スーパーで翌日の朝ごはんも入手。
那智の滝が見えるという宿に着いたのは、もうあたりも真っ暗になってしまった午後8時ころだった。
滝を見るのより、食事やガソリンを確保するのに迷った一日のような気がする。
                       そのA 那智の滝へ
交通
  八草の滝  最寄ICは今のところ、阪和自動車道南紀田辺IC。インターをおりて、国道42号線に出る。海岸沿いの曲がりくねった道をしばらく走り、(観光客の自動車は、白浜のアドベンチャーワールドに向かうのが多いのでついて行かないように)日置大橋の手前の道へと左折。日置川を右手に見ながら走って行く。
県道とはいえ、集落内はかなり細くなるし、山に入ると林道のようになるので、運転には注意が必要である。
しばらく日置川の右岸を走るが、川を渡り日置側が左に見えるようになったら注意していると右欄のような場所になる。
駐車できるスペースは少ないので注意すること。
川の対岸の奥まった場所に滝が落ちている。

そのA那智の滝へ
そのB桑ノ木の滝へ
そのC布引の滝へ
そのD不動七重滝へ
そのE笠木不動滝へ
そのF赤目四十八滝へ


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