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赤目四十八滝

2012/4/30   赤目四十八滝   三重県名張市

連休3日目の夜が明けた。
前日、滝を見るために朝から動き回って、疲れ果てて早く寝てしまったものだから、起きたのも早かった。
本日の予定は、昨日のうちに全部済ませてしまった。あとは新潟に帰るだけである。
宿を出て、昨日通った道をもう一度通り、今のところの紀勢自動車道の終点である紀勢大内山インターから高速道路に乗る。
それにしても順調すぎた。天気もとてもいい。
紀勢自動車道はまったく渋滞もなく、快調だ。
そこで、どうしても頭をもたげるのが“もったいない”。
時間はまだまだある。はるばるここまで来ている。だっちゅうのに、もう戻るのか、私たち。いくら明日から仕事があるにしたって、2日頑張ればまた4連休。ならば、今日は帰りつくのは、多少遅くなったっていいんじゃないのか。
と、いうことで、高速走りながら、滝の本をひっくり返して、行ける滝を探した。
ありましたとさ、百選の滝が。赤目四十八滝。
滝のある名張市は我々がこれから乗ろうとしている伊勢自動車道からは少し離れているが、新潟三重間の距離に比べればほんのちょっとでしかない。滝を見たあとは、名阪国道に乗って戻ればいいので、帰りのロスは最小限になるだろう。よーし、行っちまえ。
と、いうことで、行っちゃいました、赤目四十八滝。もう、百選やっつけモードである。
伊勢自動車道を久居で下りて、国道165号線をひたすら西へ。意外にこれが時間がかかったが、それでも午前9時には赤目四十八滝に着いた。
前々から観光地であると聞いていたが、無料駐車場くらいあるだろうとウロウロするが、まったく無く、まだ観光客も出てきていずにけっこうすいているお土産屋さんの駐車場入れる。800円也。けっこう高い。よくわからないものだから、入り口からちょっと距離のある場所にとめてしまったが、まだすいていたので、入り口直前のお土産屋さんまで入って行けばよかった。同じ800円だった。
ちなみに、お土産屋が並んでいる途中に小さい公衆トイレがあって、我々はそこに入ったのだが、なんと男女一緒のトイレだった。もうちょっと広くてきれいなトイレが入り口近くにあるので、そっちを利用したほうがよいと思う。
入り口へと進んで行くと、日本サンショウウオセンターというのがあった。我々は特にサンショウウオには興味がないので、それには入らないつもりだったのに、そこに入らないと赤目四十八滝には行けないシステムになっていた。入場料大人一人300円也。えー、見るつもりが無いのに高い。サンショウウオ保護の寄付と思うしかない。駐車代金とここの通貨代金で、2人で1400円にもなってしまった。そんなにお金払っても見る価値のある滝なのかしらん、人気の観光スポットらしいんだけど。
      
  
(左)サンショウウオの口からじんじゃの水という湧水が出ている。(中)日本サンショウウオセンター入り口。(右)まず最初の行者滝。
とにかく、できるだけ早く新潟に戻るつもりはまだあるので、足早に渓谷の遊歩道に出る。
ここから先は、滝の順番に写真を並べただけのレポです。なにせ、滝、多すぎ。四十八は無いかもしれないが、段差も滝としてカウントすると、ホントに四十八以上になっちゃうかもしれない。
  
     
  (左)霊蛇滝。(中)不動明王が乗って現れたという赤目牛。(右)銚子滝はほとんどシミ。

   不動滝赤目五瀑。落差15M。

      
  (左)大日滝。って、水ないじゃん。近くの乙女滝はほとんど段差。(中)八畳岩。(右)八畳岩前にはトイレがある。

      
  千手滝赤目五瀑。落差15M。広い釜を持った見事な分岐瀑。

  
護摩の窟。弘法大師禅定の窟だそうだ。

  布曳滝赤目五瀑。落差30M。滝つぼの深さも30Mだそうだ。

      
  (左)分かりづらいが、布曳滝は横がわから滝正面の滝見台に行って見る。(中)横から見ると意外と斜め。(右)岩盤はまっすぐな柱状節理。

      
  遊歩道は30Mの布曳滝をそのまま巻く。布曳滝の横顔や落ち口から壺を高度感いっぱいに見下ろせる。

      
  (左)次の滝と思ったら、「竜ケ壺」という名前だった。(中)前半に現れた滝よりずっと滝らしいんだけど。(右)ご神木のカツラの木。樹齢約300年だそうだ。

      
  赤目四十八滝の遊歩道は整備されているが、けっこう上り下りが激しい場所もある

    
  (左)縋藤滝。すがりふじたき、と読む。水、全くないです。(右)陰陽滝。水量が多いときはもうちょっと幅広かも。

    
  百畳岩。岩はどこ、と思っていたら、売店が乗っかっているのが百畳岩だ。右は七色岩。木が生えた岩。

  姉妹滝。

    
  柿窪滝。これをぐるっと巻く。上から見下ろすことができる。

    
  笄滝。こうがいたきと読む。なのだが、岩が張り出していて、滝そのものを見るには川の中に入るしか手がない。右は上流からみた落ち口。

    
  雨降滝は川ではなく遊歩道がわの岩盤にある。みんなモアイみたいだと言っていた。モアイの鼻からしずくが・・・。この向かい側にトイレがある。

  骸骨滝。なぜ、骸骨かは不明。

    
  斜滝。斜めっちゃあ、斜めだわね。

    
  荷担滝赤目五瀑。落差8M。とはいえ、さらに上段があるし、2本並んで落ちているので規模としてはとても大きな滝に見える。

      
  階段を下る途中の場所から荷担滝を見下ろすとができてる。ここがベストポジションだ。滝前まで行ってしまうと、上の右写真のように上段が見えない。遊歩道は滝の右岸を巻くので、滝の横顔もみることができる。

    
  夫婦滝は支流の沢のはるか奥に落ちている小さな滝。矢印がなければわからない。

  雛段滝。ここまで来ると、ネーミングもそのままかも。

    
  琴滝。琴滝の上の橋を渡ると、すぐに琵琶滝だ。

      
  琵琶滝赤目五瀑。落差15M。なだらかになった川の流れの先に出現する。

      
  深そうな滝つぼだが、すぐに川は浅い滑状態になる。それが琵琶滝の魅力かも。

さて、この先実はもう一つ岩窟滝という最後の滝があるのだが、おおかたの観光客がここで引き返していたし、滝を巻く階段がかなりキツそうに見えたし。われわれもこれから帰る必要があるので、岩窟滝は見ずに戻ることにした。
復路はとにかく急ぎ足で戻る。いちいち滝で立ち止まらずにただ戻ることだけに専念した。
ちなみに、行きに各滝を通過した時刻は以下の通り。
  サンショウウオセンター出発:9時17分。霊蛇滝:9時21分。不動滝:9時26分。八畳岩:9時36分。千手滝:9時38分。
  布曳滝:9時42分。竜ケ壺:9時47分。縋藤滝:9時55分。陰陽滝:9時57分。百畳岩:10時08分。
  姉妹滝:10時10分。柿窪滝:10時12分。笄滝:10時15分。雨降滝:10時18分。骸骨滝:10時22分。斜滝:10時25分。
  荷担滝:10時30分。夫婦滝:10時35分。雛段滝:10時36分。琴滝:10時39分。琵琶滝:10時41分。
  サンショウウオセンター到着:11時33分。
琵琶滝までで駆け足で往復2時間15分だった。
まだ午前中だったので、それほど観光客の数も多くなく、歩く速度も比較的早かったと思う。
駐車場に戻ると、あんなにガラガラだった駐車場がどこも満車になっていた。たしかに、ちょっと気温が上がって涼を求めたくなった時には、家族で散策に来るのにちょうどよい場所かもしれないなぁ、とも思ったが、たとえば関東であれば山梨の西沢渓谷などは七ツ釜五段の滝という百選の滝を含めた滝てんこ盛りの遊歩道でものすごい人気にもかかわらず村営駐車場や道の駅などを利用すれば駐車代はかからないし、入り口にゲートもない。その分マナーの悪いハイカーなどもいるようだが、有料であってもマナーの良しあしにそれほど違いはないように見受けられる。やっぱりちょっと滝探訪のお値段としては、駐車代800円入場料300円はお高いよなぁ、というのが率直な感想だ。
  
交通  赤目四十八滝  パンフレットによると、名阪国道上野ICから国道368号で名張方面に向かい、国道165号に出て少々走って県道576号線へと左折。込み入った住宅街を走り、赤目口という近鉄大阪線の駅の脇を通って、しばらく進む。やがて民家もない道になるが、随所に赤目四十八滝の案内があるので心配になることもない。県道567号のほぼ突端が赤目四十八滝。
公営駐車場は見当たらなかった。道の両側にお土産屋があり、そこの駐車場に入れることになる。駐車代は近くても遠くても普通車800円なので、できるだけ近い場所に入れてしまったほうがよいかも。
渓谷の入り口に日本サンショウウオセンターというのがあり、ここを通らないと渓谷には入れない。センターの入場料は大人1人300円。サンショウウオが展示されている。
パンフレットによれば、最後の岩窟滝までは、3290mあり、片道90分。整備された遊歩道ではあるが、滝をそのまま巻く場所もあるので、アップダウンは頻繁にある。スニーカー程度の足回りで十分だが、侮らないように。
トイレはセンターの手前のお土産屋、八畳岩、雨降滝にある。百畳岩には売店もある。
そんなこんなで、欲張りに欲張った2012年のGW滝遠征は終わった。
さすがにまだ午前中ではあったが、これ以上欲張ってほかの滝を見ようとは思わなかった。新潟までは遠いのである。
お昼は名張市の公園でコンビニおにぎり。食については、節約するだけ節約しきった旅行になった。
午後1時くらいには名阪国道に乗り、名古屋あたりでわけのわからないジャンクションに戸惑いながらなんとか東海北陸自動車道に入り、暗くなる前には新潟に着いた思う。
いやはや、長いドライブだった。ダンナ、本当にご苦労様でした。
おかげで、ずっと空白が続いていた西日本方面の百選の滝を6か所も見ることができた。これで少しは百選の滝のサイトっぽくなった。
帰宅して、今年はこれで終わったな。と、燃え尽き症候群状態である。百選の滝を求める火が復活するのは、来年かな〜(笑)
それにつけても、今回の遠征では、水害のすさまじさをまざまざと見せつけられた。水は我々にとって必要不可欠なものであり、美しさや気持ちよさを感じさせてくれるものであり、そして、時に牙をむくものである。
見ることができなくて残念だった滝もあるのだが、この時期に南紀に行って、実はよかったのかもしれない、と思っている。牙の部分の跡しか見ていないが、それでも実感することができた。
それを踏まえてなお、滝は綺麗である。
水が山から海へと駆け下るこの日本という土地だからこそ、私は滝に惹きつけられるのかもしれないと改めて思った滝遠征だった。

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