2014年GW三重県の滝めぐりそのDニコニコ滝へ2014年GW三重県の滝めぐりそのE

大杉谷の滝C七ツ釜滝

2014/5/4   七ツ釜滝(落差80M) 三重県大台町

       
    七ツ釜滝
     ついに見ることができた七ツ釜滝。写真では小さく写ってしまっているが、本当に大きく、美しい滝だ。
     七ツ釜というからには七段以上ある滝と思うが、見える部分から上で90度流れの方向が変わっていて、
     見ることができないそうだ。
     右写真の左岸の崖の上部分にたぶんツツジと思われるピンクの花が咲いていて、
     歓迎されているようでうれしかった。


    
    これは、七ツ釜滝のあずまやより少し下流に落ちている滝。たぶん、七ツ釜の一部と思う。
     釜の碧さが際立っている。


      
    撮影できる場所が一か所なので、ズームで切り取る意外思いつきませんでした〜。
     見えている一番上の段。


      
    中段と下段。どっちも綺麗に末広がり。

      
    下段から滝見台の前を通って、きゅっと滝見台のある岩盤をまわって下流の滝に至る。
ついに百選「七ツ釜滝」
桃の木小屋は午後2時にしてごった返していた。三重県がわから登って来る人、奈良県がわから下ってくる人、それがみんな到着するくらいの時刻らしい。前置きで書いたとおり、我々は初山小屋なので、1000円余計に支払って個室を予約した。桃の木小屋の個室は、建て増しされたらしい棟にあって、まだ時間が早いのでいくつかある部屋はまだだれも使っていなかった。どこでもいいと言われたので、一番入り口に近い端っこにした。
部屋といっても、ちょっと大きめの押入れ、みたいな空間で、立ち上がることができないくらいの天井の低さ。上の段があって、そっちは大部屋らしかった。ザックは部屋の中に入れてはいけなくて、廊下に出しておいてください、とのこと。
我々はまだこの先の七ツ釜滝まで行くつもりなので、必要なものを取り出して身軽になった。
桃の木小屋の探検は後に回すとして、とにかく七ツ釜滝に行こう。
14時05分、桃の木小屋出発。
小屋の前を通り過ぎて、川を左に見ながら進む。歩き出して少ししたら、ロープでこっちは道じゃないぞ、と侵入してはいけないマークが。じゃ別の方向と思って進もうとしたら、崖だった。我々はどうもロープの進入禁止の意味を読み違えがちらしい。さらに別の方向、くきっと右に曲がって登るのが正しい登山道で、落ち着いてあたりを見回せばすぐに分かるものだった。
七ツ釜滝への道は今までよりもさらに厳しい感じだった。あからさまに土砂が崩れて樹木をなぎ倒したような場所を通ったり、崖をえぐって作ったようなへつりの道を歩いたりする。
      
  桃の木小屋、屋外のトイレの前を通って、登山道へ。右の写真が登山道を誤りそうになった場所。

      
  頑丈な橋がかけられていたり、石畳があったり、かと思うと、倒木だらけの場所も。

      
  へつり道、木の根っ子階段、崩れた土砂の上と厳しい登山道が続く。

14時28分、左を流れる川に綺麗な滝があった。本流の滝だ。それほど落差は無いが、幅広く、見る方向で二条の滝にも見える。川の水がとても綺麗なので、滝も本当に美しく見える。
14時35分、前方にあずまやが見えた。そして、あずまやの向こう側に、おおおおおお、素晴らしい段瀑が現れた。七ツ釜滝だ。暗い登山道から見上げる形であずまやになり、その先に日光に照らされた七ツ釜滝が落ちていた。
これを見に歩いて来たのだ。今まで色々な段瀑を見てきたが、この七ツ釜滝は歩いた分だけ格別の魅力を持つ滝になった。
見ると、滝の落ちる断崖のはるか上のほうには、赤紫の花がアクセントのように咲いている。どうやらツツジのようだった。きっと紅葉の時期以外にこの滝を緑と青以外の色が彩るのはツツジかシャクナゲだけだろう。その季節に来ることができたのも、なんとも幸せな気分だった。
「やあ、来た来た。だれも来ないと思ってた」と、先に到着した人が誰かにシャッターを押してほしくて待っていた、と我々を歓迎した。滝とのツーショット、うまく撮れたかしらん。
      
  左写真、滝がぶっ飛んでますが、これくらいの距離で見える。右写真が避難小屋もかねる七ツ釜のあずまや。

      
  ホンシャクナゲがあちこちに咲いていた。

この七ツ釜滝から先が崩壊地で、ついこの間まで通ることができなかった。
我々は最初、崩落地を通って堂倉滝まで行くつもりでいたが、思っていた以上に疲労が濃かったので、七ツ釜滝で今回の滝めぐりを終了することにした。明日また歩いて戻り、そこから先、新潟までドライブしなければならない。もし明日近くで泊まる予定だったら、多少無理をしただろうけれど。無理は禁物。シシ淵で会ったあの人みたいに、転んで怪我をしてしまうかもしれないじゃないか。
しばらく七ツ釜滝を眺め、名残惜しいが桃の木小屋に戻った。
15時10分、桃の木小屋到着。
んがお家初山小屋!桃の木小屋事情。
さて、桃の木小屋。この山小屋はデカい。収容人数約500名だそうだ。ログハウス風の入り口から右側がお風呂やトイレ、洗面台、その奥にたぶん大部屋があるらしいが、我々はそちらには行かなかった。。左がわがすぐに食堂で、その奥に大部屋がいくつかある。廊下が先に伸びていて、扉があり、戸外に出る。戸外と言っても屋根と壁がついているので、一応渡り廊下的な屋外だ。そこにも洗面所とお風呂があるが、この時は宿泊者が少ないので使わないように、とのこと。階段でうえに上がると個室とその上に大部屋になる。個室は小さいものと中くらいのものがあるらしかった。
我々は小さい個室で布団4組が畳んでおいてあった。窓つきの大き目の押入れの下段、といった感じの部屋で、なんとも狭さが落ち着く。扉を閉めれば廊下からはまったく見えないので、おおっぴらに着替えられた。
    
   廊下を隔てて、大小の個室。梯子を登った上がガランとした大部屋だ。右写真が個室の内部。

山小屋というので何もすることがないのは分かっていたが、我々の考えの甘いのが、てっきりワンセグのテレビは見られるだろうと思っていたこと。スマホでも携帯でもテレビの電波の受信できる場所ではありませんでしたとさ。おかげで、ホントーにすることがなかった。
4時少し前に男性のお風呂が入れるようになり、ダンナはすぐにお風呂に。その後30分ほどで女性も入れるようになったので、私もお風呂に。お風呂は3人入れば満員くらいの広さなので、1回分待った。一緒に待っている女性も山小屋は初めてだと言っていた。
お風呂は木のお風呂で、カランなどはなく、水道からは水しか出ないが、湯船を満たすためにお湯が出ている。その一緒に入った人がすぐに出てしまったので、私はそのお湯を頭にかけて、シャンプーはないが洗髪もしてしまった。楽々一人で三人は入れる湯船に浸かって、新鮮なお湯で上がり湯もして、かなりリフレッシュできた。実は山小屋でお風呂は全く期待していなかったので、ものすごくうれしかった。
午後5時少し前に照明がついた。あたりもだんだん薄暗くなってきた。
午後5時、アナウンスがあり、夕食の支度ができたとのこと。行ってみたら、夕食を受け取るのに行列ができていた。ほかにすることないからね〜。食事をみんな待っていたのね。
この日のメニューはトンカツとカレー。あったかい食べ物は、それだけでごちそうです。
  
  本日のディナー。

部屋に戻ると、もう、ホントーーーにすることがない。本を持っていく、携帯ゲームを用意する、もしくは、スマホに映画をダウンロードしておく、など時間つぶしの道具がないと困る。困った我々はさっさと寝てしまった。いや、ホント。午後8時前に寝ちゃったよ。
消灯時間は午後9時ということだったが、11時くらいまでは点灯していたと思う。隣の個室の人がけっこう賑やかで、うつらうつらしかできなかった。なにせほぼ押入れなので、隣との間の壁は薄いのだ。
そうそう、布団はしっかりした布団で、4組すでに用意してある個室なので、敷布団2枚敷きました。実に快適だった。
山小屋の朝は早く、翌日は黎明とともにガサゴソ人の動く気配がしはじめた。我々もものすごく早くから寝ているもんだから、午前4時過ぎには起きてトイレに行ったり洗面したりし始めた。その頃から大部屋ではもう荷物を片づけて出発準備を整えている人たちが廊下に出ていた。
午前5時半過ぎに朝食の準備ができたとのアナウンスがあり、行ってみたら昨日より長い列ができていて、食堂の席がないかも、と心配だった。案の定、2人で一緒の席は無理で別々に朝食。ごはん、お味噌汁、ウィンナーとスクランブルエッグの朝食。見知らぬ人の中に紛れて食べたので、写真がありません〜。
部屋に戻って、仕度をして、もう一度トイレに、と思ったら、トイレ待ちの列ができていた。ここのトイレは派手な水洗トイレで、個室も5つ以上あったけど、男女一緒なのが難点。夜に行った時に男性が小用中でさすがに気まずかったですぅ。
出発ラッシュのような感じの山小屋をあとにしたのは、午前6時15分だった。
下山ってうそだろ〜。
昨日と違って、空は雲が多い感じだった。
なんとなく薄暗いなか、次々と登山者が山小屋をあとにする。けっこうまとまって出発したが、すぐにペースが違うのでバラバラになった。
ところで、桃の木小屋から第三発電所まで行くということは、下山行程なのだが、ホントーに標高下げているのか、というくらい登る箇所が多かった。つまり、川沿いの道を登ったり下ったりを繰り返し少しずつ標高を上げで桃の木小屋に到着したので、同じ感じで登ったり下ったりを繰り返して標高を下げているのである。前日の疲れがあるので、登りの時よりもむしろ疲れてしまった。
    
  下山時のニコニコ滝と千尋滝。

    
  前日よりも綺麗に撮れたシシ淵からのニコニコ滝。

    
  左写真、前日撮り忘れた平等ー吊り橋の「2012年3月」と書かれたプレート。これ以前は七つ釜滝には行かれなかった。
   右写真、シシ谷から下流に向かう登山道。写真を見てひえーっと思ったが、崖じゃん。でも、通っている時はそれほど危険は感じなかった。


    
  大日ーのへつり。右写真、そこを通る人。外国人の家族連れでした。外国の人もたくさんいました。

      
  ものすごくほっとした「笑門」のしめ飾り。三発を通って、帰りを待つ自動車のもとに。

6時15分 桃の木小屋出発。  6時32分 加茂助吊り橋。  6時55分 平等ー吊り橋。  7時10分 ニコニコ滝。
7時20分 二本滝。  7時25分 シシ淵。  8時15分 千尋滝。  8時26分 水越谷出合。  8時38分 日浦杉吊り橋。
9時00分 奈良谷出合。  9時30分 地獄谷吊り橋。  9時35分 熊谷河原。  9時48分 大日ー吊り橋。
9時57分 大日ー。  10時03分 登山口。 10時05分 第三発電所。
登山道を歩いている間、なんとか保っていてくれた空も、第三発電所に到着したらポツポツと雨を落とし始めた。そこからさらに林道を下った場所に駐車してある自動車まで歩いているうちに本格的に降り出し、慌てて荷物を降ろして自動車に乗り込み、出発した頃にはけっこうな雨脚になっていた。途中で降られなくて、本当にラッキーだった。
当初の計画では、六十尋滝のあずまやで軽い食事にして新潟までのロングドライブに備えるつもりだったが、家族連れが雨宿りで使っていたので断念。ダムサイドまで自動車を走らせ、最初に現れたあずまやでカップラーメンを食べた。
どうせ人も自動車もそんなに通る場所じゃないので、そこで全部着替えてしまおうとしたら、下山した人の自動車が通って、慌ててかがみこんでやりすごしたりして。遠い他県で何しているんだこの私。
雨の降るなか、宮川ダムを見ながら暖かいラーメンを食べ、無事に済んだ行程にとりあえずほっとした。

無事新潟に。
さて、この先は新潟への長い高速道路のドライブになるの。しかし、紀勢自動車道を進むうちにまたしてもこの先20キロの渋滞の表示が現れた。あーあ、また行きに捕まったのと同じ場所の渋滞だよ。結局、よせばいいのにまた一般道国道23号に下りて、進むことに。さすがに行きほどのピタと動かないほどの渋滞はなく、伊勢湾岸自動車道に乗って名古屋の東をぐるっと回って小牧ジャンクションから中央道に入った。途中の私の記憶が無いのは、熟睡していたせいです。
夕食、買い物などを挟んで、午後8時30分無事自宅に到着。いやはや、ごくろうさまでした。
あしたがお休みで本当によかった。長いGW、ありがとう〜。
交通
最寄ICは紀勢自動車道「大宮大台」IC。インターを下りたら国道42号線を松阪方面にちょっと走ると県道31号線との交差点になる。左折で県道31号線に入り、左手に宮川を見ながらひたすら上流方向に進む。しばらく走ると県道から国道422号線になるが、とにかく宮川沿いを走っていればOK。さらに進むと、左折すると国道、直進すると県道53号という場所になるが、ここは直進。県道53号に入る。あいかわらず宮川は左。途中、道路工事などが行われ、迂回などを要求されるかもしれないが、とにかく宮川ダムを目指せばよい。
1度橋を渡って、宮川が右側になってしばらく走ると、わりと大きなスペースの建物などがある宮川ダムになる。
ここに大杉谷の登山ポストや大きなトイレがある。
そこからダムの貯水湖を右に見ながらうねうねとした道を進み、しばらくすると新大杉橋という吊り橋。
これを渡って4キロで六十尋滝である。
六十尋滝からさらに自動車を十五分ほど走らせると突き当りが第三発電所。明確な駐車場はなく、道路の広くなった部分に駐車するのがいつものことのようだが、われわれが行ったGWの中日の午前八時半前で満車状態。かなり下流の工事現場らしいカーブにある大きなスペースにも自動車が満車状態でとめられていた。マイカーで行く場合にはもう少し早い到着か日にちを考える必要があるらしい。
ちなみに、公共交通機関か登山バス(完全予約制)を利用する方法は下記登山センターのページに詳しい。
第三発電所からは本格的な登山道になるが、あせらずにゆっくり歩けば桃の木小屋までだとしたら標高差もそれほどなく、歩行時間が多少長いだけで日帰り登山で低山に登るよりぜんぜん疲れない。むしろ帰りのほうが疲れがたまっているので疲労感はすごい。
登りの我々の要した時間のおさらいは以下の通り。
  8時55分 第三発電所。  9時ちょうど 「笑門」ゲート。  9時10分 大日ー吊り橋。  9時55分 奈良谷出合。
  10時30分 水越谷出合。  10時40分 千尋滝。  11時35分 シシ淵。昼食休憩。  12時25分 シシ淵出発。
  12時45分 ニコニコ滝。  13時ちょうど 平等ー吊り橋。  13時26分 加茂助吊り橋。  13時45分 桃の木小屋。
  14時05分 桃の木小屋出発。  14時35分 七ツ釜滝。

大杉谷は雨の多い場所で、またヤマヒルなども多いらしいので、無理な計画は立てずに、体力に合った方法で滝を訪問してほしい。下記の登山センターや桃の木小屋のページを熟読して安全に登山してください。

  大杉谷登山センター

  桃の木小屋

2014年GW三重県の滝めぐりその@白藤の滝へ
2014年GW三重県の滝めぐりそのA布引の滝へ
2014年GW三重県の滝めぐりそのB六十尋の滝へ
2014年GW三重県の滝めぐりそのC千尋滝へ
2014年GW三重県の滝めぐりそのDニコニコ滝、二本滝へ


んがお工房の日本百名滝めぐり  滝レポートトップ  掲示板