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玉簾の滝 





玉簾の滝
写真にしてしまうと、
その大きさがよく分からないのが残念。
これだけの落差でこれだけの水量のある滝を
ほぼ直下で見上げることができる。
しかも、徒歩3分で。
拍子抜けするほど贅沢である。



どれがご神木かわからないが、千年杉と滝。
手前に観光客が立っているので、
滝の大きさがわかるかな。



もう一つ大きさ比較。
右の赤丸の中に女性が2人立っている。
この位置が虹が見えた場所。
こんな感じの空間です。



晴れた日の贈りもの、虹。
滝の中央にかかってくれれば、
もっとラッキーだったけど。



で、これがライトアップ用ライト。
ライトは1つじゃないので、
ちっょぴり景観をそこねている。



生き物のようにゆらゆらと
形を変える水流。
黒い岩盤とのコントラストが美しい。
2007/5/4 玉簾の滝(落差63m) 山形県酒田市 
                飽海三名瀑
飽海三名瀑のうちでも、最も観光地化されている滝がこの玉簾の滝だろう。
案内もやたらあちこちにあるし、他の滝に行くよりもまずこの滝に行ってくださいよ、という感じの地元の気持ちがにじみ出ている感じがする。
しかも、GWの期間はライトアップされるそうで、なおのこと「ライトアップ会場」という案内看板まで設置され、とにかく人を呼び込もうとしているふうだった。
滝のライトアップには賛否それぞれがあるだろうが、実は私は滝にしても桜にしても、ライトアップがけっこう好きだ。
できれば玉簾の滝のライトアップも見たい気がしていたのだが、そばに宿泊でもしない限りは無理な相談。今回は昼間の姿だけで我慢しよう。
県道336号に入るとあとはカーナビ「じゅごん」ちゃんの案内が無くても1本道である。
途中「ここが下黒川だ!」「ここも下黒川だ!」という自己主張の激しい地名看板に突っ込みを入れながら走る。
と、「開運出世の滝」というめでたい滝の名まえが飛び込んできた。神社の滝らしいのだが、なんとも縁起のよさそうな名まえである。よし、帰りに寄ろう。
今回の旅ではこの「帰りに寄ろう」が果たされたことが全くないのだが、その時は玉簾の滝のほうが気になって仕方がなかったのである。
さて、ライトアップ会場と書かれた看板の矢印どおりに進むと、売店つきの大きな駐車場に出た。思った以上に自動車がとまっていて、一大観光地、といった趣きである。
自動車から下りて振り返ると、遠くに今回の旅の準主役である鳥海山が見えた。今までごくそばを走っていたのだが空気が霞んでいて、ぼんやりとしか姿が見えなかったのである。
  
  
ぼんやりだが、これでこの日一番よく見えた鳥海山
しかし、鳥海山があっちの方向に丸々見えるということは、実は玉簾の滝は鳥海山麓の滝ではないんじゃないのか、とも思ったが、このさい、どうでもいい。鳥海山の水を集めて日本海に通じる川の支流の滝なんだから、文句はない。
駐車場から滝へ通じる遊歩道に入る前にすでに遠くに滝の頭が見えた。
うわ、でかい。あんなに大きな滝がこんなに手軽に見られていいもんだろうか。と、ヤブ漕ぎばかりしてどうでもいい滝ばかり採取している身としては、軽い嫉妬心さえ覚える。
左手の高台にあずまやがあり、その隣にある鳥居をくぐって遊歩道が始まった。
  
  
遊歩道にあった案内図。ぼんぼん石だの座禅石だのは分からなかった。
おや、まあ、綺麗に整備された空間だ。
左手に滝の下流になる川が流れ、その向こうには田んぼがある。遊歩道と農耕車が利用するらしい道路と平行して滝に続いている。
田んぼを過ぎると遊歩道は桜の花で飾られて、その向こうの濃い緑の杉の上に滝の頭が白い色を見せている。
  
入り口の鳥居。

  
桜と杉。杉の向こうにチラっと見えるのが玉簾の滝。
なんとか桜と滝のツーショットになる場所はないかと探したが、滝の前にご神木という大きな杉が立ちはだかって、滝全体が見える場所は桜の手前には無かった。
さらに進むと湧き水だという手水がある。
  
竜の口から出ている湧き水。
ものすごくおどろおどろしい自然石でできているという鳥居と御嶽神社のすぐ脇を通り抜けると、もう滝のまん前だ。
さっきあれほど邪魔をした巨大な杉の間から白い滝が直線になって落ちている。
杉のまっすぐさと滝のまっすぐさが実に気持ちよく重なっている。
滝つぼギリギリまで近づけるので、落差63メートルを余すことなく実感できる。
近づいてみると、直瀑ではあるが黒々とした岩盤にぶつかって、下の方では綺麗な分岐模様ができている。
水の落ちるさまをじっと見ていると、1秒1秒表情が違って飽きることがない。これも高い位置から落ちてくるせいなのか、水自体が生きているようである。
ダンナが三脚を立ててじっくり撮影している間に周りを見てみると、おや、踏み跡発見。
どうやらライトアップする時のライトを設置してある、少しだけ高い場所に続いているらしい。
とりたてて大変な坂ではないので登って行くと、本当にライトがあった。
それほど高い位置ではないのだがここまで来ると滝つぼが見下ろせる。しかも、ラッキー、虹が出ているではないか。
滝そのものではなくて、かなり低い位置ではあるが、虹がかかった玉簾の滝を見ることができた。
しかし、ここは観光地。一人ヘンな場所に人がいるのを発見すると、ぞくぞくと後に続いて来る。あらやだ、たかが踏み跡に何人も人が来てしまった。
ダンナに虹が出ているのを教えて、私はさっさと退散。
でも後に続いた人は虹を見られてラッキーだったかもよ。
帰りには遊歩道沿いに咲いている山野草を眺めながら戻った。それほど深山でもないのだが、ニリンソウもエンレイソウもミヤマカタバミもゾロゾロ咲いていた。
  
ミヤマカタバミ。
これで飽海三名瀑は全て見終えた。どれも素晴らしい滝ばかりで大満足である。
続いては、国道344号に出て、土倉の滝を目指そう。
「じゅごん」ちゃん、案内よろしくお願いします。

                           
そのC「国道344号の滝たち」へ
交通
  玉簾の滝  最寄ICは山形自動車道酒田みなとIC。県道59号で旧八幡町方面に進み、国道344号に出る。真室川方面に進んで、県道366号に入る。あとは案内どおりに進めばいい。案内はしっかりしているので、迷うことはない。
大きな駐車場があり、そこから徒歩3分ほどで滝前である。
ちなみに、GWの期間とお盆休みの期間はラットアップされる。興味のある方はぜひその時期にどうぞ。

2007年GW鳥海山周辺の滝めぐり@「十二滝」
2007年GW鳥海山周辺の滝めぐりA「一の滝、二の滝」
2007年GW鳥海山周辺の滝めぐりC「国道344号の滝たち」
2007年GW鳥海山周辺の滝めぐりD「法体の滝」
2007年GW鳥海山周辺の滝めぐりE「奈曽の白滝」
2007年GW鳥海山周辺の滝めぐりF「元滝湧水」

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