2009年GWの滝めぐり@2009年GWの滝めぐりAそうめん滝へ
原不動滝

長いプロローグ   [プロローグをとばして滝のレポに行く場合はこちらから]
我々の滝めぐりはいつも思いつきだ。
今回も今年は史上最悪の金欠病に陥ってしまったためにGWは近場ですますつもりだったのだが、高速道路一律1000円のETC割引が実施されて、遠くに行かないほうがもったいないような気になってしまった。
どこに行くか、決めたのはほぼ一週間前である。
なにせ、GWの直前は桜をめぐって奔走している月だ。桜のほうで手一杯で、GWの細かい計画などたてている暇もない。
ざっと地図を見て、1泊2日でまだ見ていない百選の滝が多く見られる地域ってどこだろうと探して「兵庫」と決めた。
決めたのは私で、あとはダンナが計画をたててくれた。
前日くらいまでには滝の本と地図とネットで多少は予習できるだろうと思っていたが、現実にはカケラも予習できなかった。はっきり言って、兵庫県が何県の隣なのかさえよく把握せずに自動車に乗ったと言ってよい。ここまで頭に何もいれずに助手席に乗ったのは、いくら私でも無責任にもほどがあるが、ほぼ毎度のこととも言える。

さて。5月3日。
とりたてて早起きするでもなく、いつもの会社に行くくらいの時間に我が家を出る。普通新潟からから兵庫県であれば、北陸自動車道で米原まで行き、名神高速で吹田、そこから中国自動車道で兵庫入りする。しかし、GWのそのルートは、渋滞必至である。まして高速道路1000円では、何時間渋滞するかわからない。
そんなわけでダンナが選択したのは、北陸道で敦賀まで行き、一般道を使い、小浜から舞鶴若狭自動車道で兵庫入りするルートだ。こうすると一端高速を下りるので、1000円で行けなくなってしまうが、大渋滞にハマるよりはずっとマシである。
ところが、高速道路はやや自動車が多い感じもしたがそこそこ順調だったのに、敦賀で下りた一般道でピタっと止まってしまった。
げ、みんな同じ考えだったのか?ということは、敦賀から小浜までの国道27号はずっとこんな調子なのか?
そんなうんざりした気分のところで、ナビの案内が分かりづらくて分岐の列に入りそこねてしまった。国道27号に行く列からそれて、国道161号に乗ってしまう。このままでは琵琶湖に行ってしまうぞ。
いや、待て。
地図をさんざんぐるぐる回して見てみて、気がついた。琵琶湖に行っても渋滞している国道27号に比べたらもしかしたらそれほど違わない時間で小浜に行けるかもしれない。地図を見ると、そりゃあ少しは遠回りになるかもしれないのだが、琵琶湖経由で小浜に行く道もあるのである。面倒くさい、そっちに行ってしまえ。
そんなわけで、いきなり日本海を見ながらのドライブのはずが、琵琶湖の輝きを見るドライブになってしまった。幸い国道161号はまったく渋滞していなかった。
途中の道の駅で昼食をとり、琵琶湖をタッチして、また日本海へとまったく渋滞していない国道303号を通って戻り、国道27号に復帰してようやく小浜西インターから舞鶴若狭自動車道に乗る。こいつがきっちり北陸道につながってくれていれば、こんな苦労はしないのに。

本日1本目というか、本日はこれのみの原不動滝へは、ナビに案内させると、中国自動車道の山崎インターから行きなさい、と言う。しかし、我々は舞鶴若狭自動車道路から播但連絡道路に行って、播但連絡道路の最寄インターから原不動滝に行くつもりでいた。ここで一つ問題がある。舞鶴若狭自動車道は播但連絡道路と実はつながっている。春日インターから遠阪トンネルを経て和田山インターまで、試験無料通行できるのだ。ただし、トンネルだけは有料だ。しかし、我が家にある地図ではまだそんな道路できていない。ダンナがネットで調べても高速道路ではなくて一般国道扱いなのでつながっているかどうか確定できない。途中の高速道路でもそんな情報が全くない。
もし、つながっていないとしたら、春日まで行くのはかなり遠回りになるのだ。
えーい、わからないことに時間をかけてはいられない。福知山で下りて、そのまままっすぐに西に進めば和田山である。ずっと近道じゃないか。
そりゃ、ま、地図の直線距離なら近道ですとも。
福知山と和田山の間は、国道429号と国道427号で結ばれている。この国道429号の榎峠というのがとんでもなかった。
はっきり言って林道です。すれ違い困難で昼なお暗い山道。
結果的に言えば、この区間は国道9号を利用する人が殆どでめったに誰も通らない道なのだが、距離的には一番短い道なんじゃなかろうか。精神的にはものすごく疲労する道ではあるけれど。(帰りに和田山から春日インターまでの無料区間を利用したが、かなり距離があった)
いったいいつ終わるんだと思うくらいのぐねぐねの道を登って下って、ようやく遠阪トンネルのランプにたどり着いた。さすがにこれから先トンネルを通らずにまた峠を通過するつもりになれないので、有料のトンネルに入る。トンネルから先は播但連絡道路に直結しているので、そのまま朝来インターまで乗る。
朝来インターで下りて、そこから先はまた400番台の国道、429号である。また峠である。ここまで来ると、渋滞を心配していたことがウソのように自動車の数もまったくなくなり、渋滞のストレスは無いけれどカーブのストレスだらけの状況になる。
ようやく国道29号に出た時には全身凝りまくっていた。
国道29号を北上。道の駅はがを過ぎて少しすると、やっと原不動滝の看板が見えた。やっと着いたよ〜。
なんと、午後4時に本日の滝に到着である。長かった。




原不動滝
あえて、ワイヤーが滝前を横切る写真を
原不動滝を紹介する写真とした。
だれの目から見ても吊り橋からはこの姿でしか
見ることができないのだ。
ああ、もったいないったらありゃしない。



上の写真の上段に見える直瀑は
実は中段。
その上にもう一段ある。
とりあえずチラっと見える上段を
写してみました。



中段の流れの変化。
中段だけでもとても美しい。



中段の滝つぼ。
それほど深くなさそうに見えた。



中段から下段に向かう流れ。。


下段の夫婦滝部分。
左側の流れは別沢の女滝。
右側の三段の滝が男滝である。



下段は見下ろす感じになる。
そのため落差がよくわからないが、
おそらく中段より落差はあると思う。
2つの滝が合わさったあとの流れは、
実に穏やかだ。
2009/5/3   原不動滝(落差88m)     兵庫県宍粟市

あたりがかなり田舎っぽいので、原不動滝に曲がる道が分かるかどうか不安だったが、さすがに百選の滝だけあって、かなり大きく案内看板が出ていたので、間違えるわけがなかった。
左折で入ると、ほどなく、道が行き止まりになる。道脇に数台自動車がとめられるようになっていて、夕方なのに何台も止まっていた。
  
駐車スペース。
陽が長くなっているとはいえ、5月の午後4時はそろそろ薄暗くなってきている。ちょっとせかされる気分で仕度をして、歩き出した。
と、焼肉のにおい。え、ここは・・・。見ると、河原にたくさんのテントがある。キャンプ場なのだ。ああ、原不動滝もBBQのイメージが焼きついた滝になってしまう。においは記憶に直結するのである。
ちょっと立派な門をくぐって、焼肉の煙ただよう吊り橋を渡り、少し歩くと、げげっ、料金所が出現した。ええーーーーっ、原不動滝ってお金取るのぉ〜っ。
予め予習しておけばここで驚くこともない話なのかもしれないが、かなり驚いた。過去百選で駐車料金としてお金を取られたことはあるけれど、そのほかで言えばたぶん袋田の滝のトンネルくらいのものだろう。
しかし、まさか一人200円が惜しくてわざわざ来た滝を見ずに帰るわけにもいかない。受付に2人です、というと、なんと「幸福」さんという女性の係りの人がチケットを渡してくれた。なんかありがたい気分になる。
    
  
立派な門をくぐって、キャンプ場をまたぐ吊り橋を渡る。
    
  
途中、湧き水などがあり、料金所になる。
料金所の先は吊り橋になっていた。
かなり丈夫な吊り橋を渡ると、今度は階段だ。だいぶ上まで登る。
ぐーっと上まで登ると、また大きな吊り橋になった。
    
  
吊り橋を渡り、少し歩いて階段に。ちなみに、この吊り橋は渡らずに進む道もある。
    
  
階段を登ると、滝前の吊り橋になる。
ここからまず見えるのが二条の滝である。
わたしはてっきりこの二条の滝が原不動滝だと思った。いや、予習していればあれは確かに原不動滝ではあるけれど、滝の一番下の部分でしかないということがすぐに分かったんだろうけど。
なーんだ、あれ見るために200円?とか思ったりした。
いや、待て、吊り橋の一番向こう側のほうに人がたまっている。ということは、そこからの眺めが一番いいんじゃないのか。
ということで、吊り橋を渡る。
    
  
最初に見えるのは、下段の夫婦状の滝。吊り橋の上から撮影する人たち。
この吊り橋は、向こう側に行くための橋というわけではなく、滝を観覧するための観覧台としての橋である。向こう側は岩壁で行き止まりだ。
人のたくさんいる一番端っこに行って見上げて、おおっと唸った。
上段がある。正確には中段と上段があるのだが、上のほうは葉っぱの陰になっていてよくわからない。
新緑が滝の右左を縁取ってなんと綺麗なことだろう。
ところが、である。
この観覧台が吊り橋であるがゆえの残念な結果が滝の前を横切っていた。橋を吊るワイヤーがものの見事に観覧者と滝の間をさえぎっているのだ。
そこで、そういえば、色々な人がワイヤーが邪魔だと言っていた滝があったっけか、と思い出した。悪名高きワイヤーなのである。
吊り橋の滝とは反対側は山の岩盤になっているのだが、たしかに崩れやすそうな感じがした。が、吊り橋ができる前はそこから滝を見ていたんだろうなぁという感じの場所もあった。安全のために作られた吊り橋なのか、そのあたりはよく分からないのだが、もうちょっと考えて作れなかったものかなぁと思ってしまった。この吊り橋のために200円払っているのだとしたら、なんだか納得いかないなぁ。吊り橋を作ったから車椅子の人でも滝を見られるようになったというならまだ分かるが、吊り橋の手前にあれだけ階段があるのだからそれも無理な話だし。
もっとも、吊り橋を渡らずに、手前から沢沿いに滝に近づいて滝を見上げる手もあるらしい。が、観光客がたくさんいる時にたとえ受付に断ったとしてもそれをやる勇気は無いなぁ。
そんなワケで、なんとなくいい滝を見たなぁという感動も半減したまま、原不動滝をあとにした。
帰り際、またしてもバーベキューのニオイに包まれ、頭の中は晩御飯の気分になってしまった。
   
  
料金所前の湧き水と、滝がペイントされた自動販売機。
あとは、天滝の入り口を確認しつつ、道路沿いの滝を拾って今日の宿泊場所である和田山に向かうだけである。

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交通
  原不動滝  我々は変則的な行きかたをしたが、一番近いICは、中国自動車道山崎IC。インターを下りたら、国道29号線を北上。道の駅はがを通り越して、左側に入り口がある。
大きな看板があるので、迷わない。
駐車は無料だが、滝を見るには一人200円の観覧料が必要。
料金所から3分ほど階段を登ると滝前の吊り橋に出る。

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